54.多忙な日々 ページ6
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その日から おいらは、
A先生の受け持ちのチーム担任と
クリスマス会準備の責任者として、
朝早くから、夜は日を跨ぐまで仕事に没頭した。
担任するチームは、おいらと同じ年中組さんだったから、
お集まりの内容も、クリスマス会の歌の練習も同じだったけれど
子供が変われば、やはりチームの雰囲気は違う。
それに、子供たちは
おいらをA先生のピンチヒッターとして
そして、新しい先生という物珍しさもあって、
あまり抵抗なく受け入れてくれたものの、
通常とは違うことに緊張はあるようだったから
保育時間はほとんど休憩をとらずに
できる限り、全員と触れあうように努めた。
「智先生、大丈夫ですか？」
保育時間終了後、職員の居残りで行うクリスマス会の準備。
摂るのを忘れていた夕食の弁当を差し出されて
そんな言葉をかけられた。
「ああ、大丈夫ですよ。
このペースなら、間に合いますから」
「違います！ お体は大丈夫ですか？という意味です」
「え？」
同じ年中組のチーム担任である少しベテランの女の先生だった。
おいらは、弁当を受け取り、首をかしげる。
「ずいぶん、無理されてるように見えるので……」
「そうですか？」
食べようと思ったけれど、
服が紙くずだらけになっていて、それを払うのが面倒くさくて
先に、目の前にあるオブジェの仕上げだけでも済ませてしまおうと
少し離れたテーブルに弁当を置いた。
「それですよ！」
「はい？」
「智先生、昨日もお弁当食べてないですよね？」
「そうでしたっけ？」
「朝ここにきたら、そこにそのまま残ってました！」
「ああ、すみません。片付けるのを忘れてました」
そうじゃなくて！と、
子どもを叱るような顔でつめよられた。
あれ？
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作者名：たると
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/tarutolist01/
作成日時：2015年12月2日 12時
