打ち上がった印 ページ9
.
先輩たちとグクが、イギリスに呼び戻された。
ホグズミード付近で1人の老婆が死の呪文によって殺されたことで、大きく事が動き出したからだ。
"モースモドール"
空に打ち上げられていた、闇の印を出すための呪文。
アズカバンに捕らえた死喰い人が吐いた、闇の陣営しか知りえない印の打ち上げ方。
｢"死をかじる"なんて、考えたもんだよな｣
『.....ご無事で何よりですよ、先輩』
ホグズミードを一望する丘で1人立っていた筈が、気付けば隣に姿現しをしていたユンギ先輩。
相変わらず優れない顔色とは裏腹に、力強い目がホグズミードを睨むように見詰めている。そしてそれは、私へと向けられた。
｢お前か？最近こそこそ動き回ってんのは｣
『.....ラテン語で死を意味するmorsと、フランス語で噛むを意味するmordreの合成語が、モースモドールなんですって』
｢魔法法執行部がお前を危険人物に入れた｣
ぴくりと指先が震えた。
魔法省内で最大の部署。私の所属する闇払いと、ジョングクのいる魔法警察部隊が管轄下になる。
ほぼ確定で、私は裁判にかけられることになったって訳だ。
｢あっちは必ず、誰がクロノスの末裔かをわかってる。良いか、内から疑え。誰も信じるな....今一番、お前が危ねえんだよ｣
『内通者がいるって事ですか？でもまさか、魔法省内で、』
｢この混乱に乗っ取って魔法省内で多少派手に動こうとも目立たなくなってる。いいか？今魔法省は一番安心とは遠くなってるんだ｣
お前が動けば動くほど、あっちは罠にかけやすくなる
そう言葉にした瞬間、突然視界が歪む。
先輩に掴まれた腕と、ぐにゃりと歪曲する景色に姿現しをしてると思うより先、無言で杖を振っていた。
呪文がとんだ先で上がる悲鳴。
｢流石だわ。だからもうちょっと耐えろよ、A｣
もう何処も安全とは言えなくなった。攻撃を受けて思ったんだ、逃げ場なんて最初から無かったって。疑うことは何よりもしんどい。
でも、もうそんなことも言ってられなくなった。
容赦のない失神呪文を跳ね返しながら、頭の中では一節の何処かで見た文字が強く残ってる。
"
後悔する。これ以上悪くなったら、絶対に。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
▲たると▽(プロフ) - 青衣さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂けてるなんて、更新頑張れます！青衣様もご健康でお過ごし下さい(* ´ ` *) (2021年1月15日 21時) (
レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - まださむいので体調にも気をつけてくださいね (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - 更新ありがとうございます。ずっと楽しみにしてました。これを楽しみに頑張れます！ (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - あいさん» ありがとうございます！ゆっくりではありますが更新頑張ります(* ´ ` *) (2021年1月14日 23時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ▲たると▽さん» 更新再開嬉しいです！作者様のペースで無理せず更新なさってくださいね。応援しています(´ω`) (2021年1月14日 10時) (レス) id: 6e5c7cab71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：▲たると▽
| 作成日時：2020年11月30日 22時
