ベリタセラムfeat.YG ページ6
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_______Veritaserum
数多く魔法界を出回る真実薬の内、最も強力なベリタセラム。澄み切った透明な見た目でも、3滴飲むだけで心の奥底の秘密を告白するような恐ろしいもの。
鉄パイプの椅子に括り付けられた男が、それを飲むなりガタガタと椅子の足をいわせて、息を荒くした。
冷や汗を流し、その内朦朧とし始めたのか両目は空虚を見つめる。
尋問役としてこの男に当てられた俺は、所持していた真実薬で最もキツいものを無理やり飲ませた。
『魔法省でも厳しく規制されてんだ、お前は運がいい。中々無いからな、これ飲む機会なんて』
「ッ、ぁ"、っぐ.......、っ」
『言え。お前は誰の指示で動いた?予言に触れたのは誰だ。誰を、狙ってんだ?』
「うぁ....っ、予言、は.....リタ、が...クロノスの、末裔を、っはぁ...」
"リタ"
『そいつが、トップか?』
「違う.....あのお方は...もっと偉大で_____」
がくんと落ちた首。
苛立っていつの間にか俺の周りを囲む、幾つもの蠢いた影。紺碧の国は闇と紙一重、それでも闇に染まらないのは、この影があるからだ。
破れぬ誓いよりも強力な、影の付きまとう誓い。
決して闇の陣営に進むことのないようにと。
『.....誰が死ぬっつうんだクソが』
あの日、2人の家を出た後すぐ。テヒョンアの表情が抜けきって、紫炎がばちばちと音を立てて家の周りを一瞬囲んだ。紫炎の国で伝わる、加護の呪い。
だから俺は精霊の加護を。ジミナが死者の加護を。
ジンヒョンは、最も強力な防衛魔法で覆った。
あの2人の内、どちらかだと踏んだからだ。
クロノスの呪いは20歳を迎えて直ぐに、身体の一部分に印として現れる。俺らには発現していないって事は、彼奴らのどちらかしかない。
信じられるか?こないだまでガキだった奴らが、死ぬっつうんだよ。ついこの間まで、学生だったんだぞ。
幸せの絶頂なんだよ、彼奴らの。
静かに俺らの奥底で燻り始めた魔力が、ちりちりと焔を大きく、強くする。守れと、そう本能が叫ぶ。
季石の国の、末裔を守れと。
どちらも大事。どちらも見放したりしない。
『秘書キムソクジンに掛け合って欲しい。伝言を頼む、今すぐ闇探知機を魔法省内に設置しろと』
内から疑え。誰も信じるな。
俺が、俺らが。死んだって守る。
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▲たると▽(プロフ) - 青衣さん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂けてるなんて、更新頑張れます!青衣様もご健康でお過ごし下さい(* ´ ` *) (2021年1月15日 21時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - まださむいので体調にも気をつけてくださいね (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - 更新ありがとうございます。ずっと楽しみにしてました。これを楽しみに頑張れます! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!ゆっくりではありますが更新頑張ります(* ´ ` *) (2021年1月14日 23時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ▲たると▽さん» 更新再開嬉しいです!作者様のペースで無理せず更新なさってくださいね。応援しています(´ω`) (2021年1月14日 10時) (レス) id: 6e5c7cab71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:▲たると▽ | 作成日時:2020年11月30日 22時