剥がれ落ちる ページ5
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――――――――――まるで壁に張り付いた紙のように
物事は時として、剥がれ落ちるように真実を晒す。
ユンギ先輩が、尋問役として特殊部隊に呼びつけられた。丸一日経ってふらりと現れた先輩は、青白い顔で何時ものメンバーを集めろと、それだけ言って、周りを気にしながらエレベーターへ消えた。
その夜、全員が私とグクの家に集まった。
そこで伝えられた話は、余りにも冷たく、酷く、重たい真実だった。意図して消された、歴史の変遷。
何も喉を通らない。
一瞬にして視界が混ざる。
困惑に、頭が考えることを拒否したくてしょうがない。でも、呑み込むしかないこともわかってる。それでも。
知らないまま、真っ白な壁に同化していて欲しかった。
"この年に関する予言が出た"
『七国の勇気ある者に近しい七名、汝らから屍が出るであろう.....時に揺れる者、目覚めん事を....』
"時に揺れる者を、狙ってる奴らが今回の黒幕だ"
「俺らの中から.....死人が出るってことですか?」
「俺らが.....俺らが誰か、誰か死ぬって...?」
横で目を見開いたグクが、よろけて立ち上がる。焦点も合わない目で、ユンギ先輩を見つめる。
でも、誰も何も言ってくれない。
誰も、否定してくれない。
「ッ、嘘だって...嘘だって、ねえ、ヒョン!!!」
RM「ッグガ!落ち着けっ.....」
「ヒョンは!!ヒョンはどうも思わないんですか!!俺らの!!!俺らの誰かが、いつ死んだっておかしくないんですよ!!?明日にだって....今にだってもしかしたらっ」
YG「思わねえ訳ねえだろ!!!!!」
びくりと肩が震える。涙が後を引かない。
テヒョン先輩によってさすられる背ですら、震えるように。もう何も知りたくない。聞きたくない。
予言なんて当てにならない。そう言って欲しくて。
大丈夫だって一言。
その一言だけが、欲しいのに。
『っほんとに.....誰かが、死ぬんですね』
嘘をつけない先輩たちだから、もう誤魔化せもしない。現実だって、そう受け入れるしか、道をくれない。
両手で顔を覆うユンギ先輩と、立ち竦んで啜り泣くグク。
だから、私は嫌に冷静だった。
頭が上手く回った。
誰かわからないなら、仕向けることも出来ると
そう、確信していた。
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▲たると▽(プロフ) - 青衣さん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂けてるなんて、更新頑張れます!青衣様もご健康でお過ごし下さい(* ´ ` *) (2021年1月15日 21時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - まださむいので体調にも気をつけてくださいね (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - 更新ありがとうございます。ずっと楽しみにしてました。これを楽しみに頑張れます! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 13074a2c40 (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!ゆっくりではありますが更新頑張ります(* ´ ` *) (2021年1月14日 23時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ▲たると▽さん» 更新再開嬉しいです!作者様のペースで無理せず更新なさってくださいね。応援しています(´ω`) (2021年1月14日 10時) (レス) id: 6e5c7cab71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:▲たると▽ | 作成日時:2020年11月30日 22時