▼午前6時の魔法使い△[完]

彼女の企みfeat.YG ページ19

.




本当に賢いやつだった。彼奴が仮死状態に入ることで、確かにあいつは死亡認定になる。そうなれば予言はそこで進みを止める。

ならどうだ？本当に死ぬ予定だったジョングクは、その予言を消されたことで何にも縛られない。



クロノスが消したかった存在が消せない以上、こっちの反撃が始まる。運が悪いな、Aは悪巧みが上手いんだよ。グリフィンドールは悪戯好きだ。例外なく。









.






ベゾアール石を使った、生ける屍薬による仮死状態。









.









ジョングクの手によってAの口内へと入れられるベゾアール石は、瞬く間にその体内を侵す猛毒を消す。

死の呪文が当たる直前、Aの体内を網羅した毒薬によって、その呪文は効力を失い。仮死状態のその身体が生前の呼吸や体温を保つことも無く、上手くジョングクは策略にはまっていった。




Aが今世こそ望んだ、未来を手に入れるための命を賭けた策略。







.









.






JK｢崩壊はどうしたら止められる？｣





｢簡単だよ。お前がその呪いを終わらせろ。あれに会った後ならもう身体が動くだろ｣


JK｢.....ヒョン、裏でずっと動いてくれてたんだよね｣









宙に向かって杖を振りながら、ジョングクが呟く。









JK｢ヒョンたち皆巻き込んで、俺もAも何度もやり直してた。きっと痛かったですよね｣








.








.






肉を裂かれた。何度も殴られた。火に包まれた。何度も何度も、俺たちは死んだ。気が狂いそうだった。


でも、









｢お前が彼奴を抱き抱えて泣き叫ぶとこ見てりゃ、んなもん痛くも痒くもねえんだよ｣









.









張り裂けるような胸の痛みが、ジョングクの泣き叫ぶ声を耳にする度に俺を。俺たちを襲って。


俺たちがどれだけ死のうが、お前の崩壊した精神と2人の死んでく姿を見ることが無くなるなら、やり直したかった。






たった1つの幸せの為に、何千回とやり直したかった。









.









.









｢Aが起きる前に終わらせる。もう何も背負わせたくねえだろ。踏ん張れよジョングガ｣









今度はお前がやる番だ。









.

静寂→←私の隠し事

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す