小さな幸せ ページ27
*
ぽかぽかと温まる感覚に意識がふわふわと上ってく。段々と聴覚が研ぎ澄まされて、でもこの微睡みが心地よくて目を開けられない。
もう一眠りしようと思った所で、すぐ横から声が聞こえて、出来なくなった。
JK「...A、大丈夫ですかね」
TH「ヒョンは魔力が安定してきたって言ってたけど...どうだろう」
JK「...俺が、もっとちゃんとしてたら」
TH「それは違うってわかるだろ。何はともあれ暫くはAのこと、注意して見てよう」
JK「はい...」
どうしてそんなに気にかけてくれるんだろう。何処までも優しい人たちで、自分は何も返せて無いのに。ユンギ先輩だって、初対面だったのに。
触れた優しさが多すぎて、もう幸せのメーターが溢れかえりそうだ。そっと重い瞼を開けると、頭の方でグガが、その右斜めにテヒョン先輩が座っている。
上半身を起こすとグガがじっと目を覗き込んでくる。
『?グガ?』
JK「...だいぶ安定してる」
良かった、って微笑んで、バスケットからサンドイッチを取ってくれた。どうやらテヒョン先輩が地下の厨房から貰ってきてくれたらしい。お礼を言って食べ始めると、先輩が紅茶をいれてくれた。
TH「うん...だいぶ色も戻ってきてる」
JK「でも心配なので明日はずっと一緒にいます」
TH「そうして、何が起こるかわからないから」
こう言う時、色変わりの目が不利だなと思う。パターンも前例も無い。だから不安が募ってく。
新鮮な野菜たっぷりのサンドイッチと温かい紅茶をお腹にいれるとぽかぽかと温かい。
落ち着いたところで、二人に向き直った。
『助けてくれて、見つけてくれて有難うございます。正直もうダメかもって思ってました』
TH「ひひ、どういたしましてー!Aこそ、無事でいてくれて有難う」
JK「怪我なくて良かった...ほんと、ちゃんと無事で帰ってきてくれて良かった...」
照れくさそうにする二人を見てると、何だか本当に嬉しくて、幸せで。堪らなく好きな時間。
日付が変わる前にもう眠りな、って言われて、おやすみなさいの挨拶をした。故郷の子供達にやったみたいに思わずハグをしてしまうと、二人はノリノリで抱き締め返してきたのが恥ずかしかった。
それから階段を上がってすぐあのバレッタをくれた子がゆっくりしてね、って言ってくれた事が、また幸せのメーターを溢れて零れてく。
シャワーを浴びて寝具に横になれば、さっきまで寝ていた筈がぐっすりと眠っていた。
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▲たると▽(プロフ) - Nightsさん» まずはご返信が遅れてすみません!宝石の色味などにはこだわっていたので、良かったです。作者自身もハリポタが大好きなので、凄く嬉しいです、コメントありがとうございます...! (2022年9月7日 11時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
Nights(プロフ) - 馴染みのない宝石の色が多くで、調べたところどれも素敵な色でした……!ハリポタの世界観を壊さずに表現していて凄かったです!! (2022年3月31日 15時) (レス) @page1 id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - Kさん» 返信遅くなりました汗コメントありがとうございます!思ってたよりも好評だったので、今月中に新シリーズか番外編を出そうと思います。ご要望できる限り反映させますので、お待ちください(* ´ ` *) (2020年11月21日 8時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - とってもとっても満足でした!ハリーポッター大好きで、さらに面白く捻ってあって最後まで楽しめました!続編とか対悪みたいなのも期待しちゃったりして、、、ハリーポッターネタガンガン出してくれると泣いて喜びます!これからも応援してます! (2020年11月19日 17時) (レス) id: ae5af89168 (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - マミさん» 初めて書いた作品なので色々おかしな所もあったのですが、沢山悩んで書いて良かったです!凄く褒めてくださって、励みになります。コメントありがとうございます(* ´ ` *) (2020年11月18日 11時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:▲たると▽ | 作成日時:2020年7月8日 2時