【サンリオ男子】ずっと隣で【水野祐】 (ページ3)

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2話ページ3

「A～、お昼よ～」

お昼休み、友達の薫がパンを両手いっぱいに持ってやってきた

『薫～…量もうちょっと抑えなよ。せっかく可愛いのに台無しだよ』

私が座っている近くの席を持ってきて座る薫を呆れながら見る

「可愛いとか柄じゃないしいいんです～」

そういうと私の頭に手を乗せ、グリグリと押してくる

『も～やめてよ！これ以上小さくなったらどうしてくれんのさ』

「それ以上でかくなることもないから大丈夫だって」

ニコニコ笑いながらパンを頬張る姿を見ると本当にこいつは女なのかと疑いたくなってくる

ん…？てか今大きくならないとか失礼なこと言わなかったか？？

ムカつくから薫のクリーム入りメロンパンを、も～らい！と奪うと一気にかぶり付いてやった

「あぁ！？そのメロンパン一番楽しみにしてたのに！」

私をバカにするから天罰が下ったんだ

一心不乱にパンを口いっぱいに頬張っていると、教室の外から祐～という声が聞こえてきた

声のした方を見ると、とても可愛らしい女の子に水野くんが駆け寄っていた

「これ、ありがとう。またおすすめあったら貸してね」

そう言って少し上目遣いでニコッと笑う彼女は女の私から見ても可愛らしいなと思う

「おう。またいいのあったら声かけるわ」

水野くんも女の子にニコッと笑うとその子は顔を真っ赤にした

周りにいる子たちでさえ顔を赤くしキャーキャー言うもんだから本当にモテるなと改めて思った

「あーんな男のどこがいいんだか」

フンッと鼻を鳴らし眉間にしわを寄せる薫を見ながら、この子が男の子を好きになるのは果たしていつになるんだろうと本気で心配になってきた

『まあまあ。この世の男の子がみんな水野くんみたいなわけじゃないんだから。薫は薫なりにかっこいい子を見つければいいじゃない』

「私は恋愛とかどうでもいいの。愛だの恋だのにうつつを抜かしてる暇があるなら部活に専念する」

ほんとにもったいない。薫はこんな感じで男の子を寄せ付けない性格だが、実際男子人気は高いのだ。

『そんなこと言わずにさ。あ、水野くんといつも一緒にいる吉野くんなんてどう？一見怖そうに見えるけど女子人気も高いし、硬派な感じでいいと思うけど』

まあそんなこと言ったところでどうせ興味ないって言われるんだろうけど、と思いながら薫りを見ると

「きょ、興味ないわよ…」

なんて言ってる薫の顔は真っ赤

『わぉ…』

前言撤回。薫には大好きな人がいたみたいです