傷薬 2

球技 1 ページ7

〜CL DBK編〜


慣れないスポーツ着を身に纏った自分が
鏡に映り、思わず溜息が出る


「何、そんな嫌なの？ドッジボール」


昂秀がボールを持って私の後ろに立っていた

私がどうして溜息をついているのかというと、今日はDODGEBALL KINGDOM通称DBKの撮影の日だからだ


「…練習の時見たら分かるでしょ？私が球技苦手なの」

「いや、まじであれは傑作だった笑」
　
「バカにしないでよ」

「バカにしてないって！俺は褒めてんの」

「逃げまくってる私見て爆笑してたくせに…」

「だっていつもの冷静なAじゃないのが面白くて笑」

「やっぱバカにしてるじゃん」

「てか、球技苦手でも良くない？どうせどのグループも女には強く当てたりしないって」
　
「…痛いとかの問題じゃなくて、クラさんが運動神経いいから余計に嫌なの」

「別にいいじゃん、龍の後ろにでも隠れとけば？あいつでかいし」

「それありだね」

昂秀の案を採用しようと頷いていると
横から北人さんが顔を出してきた

「何話してんの？」

「…ドッジボールで悪目立ちせずにどうやって乗り切ろうかっていう話です」

「あぁそういうことね笑」

「結局龍の後ろに隠れるのが無難かなって」

「ふ〜ん…あ、俺それよりも良い方法思いついちゃった」

「え、なんすか？」

「ちょっと昂秀耳貸して」

「…？」

「〜〜〜〜」

「はいはいはい！北人さん。ナイスです」


昂秀は北人さんから話を聞いた後
悪戯っ子な顔をして私を見る


「え、何？」

「今から俺たちが絶対にボールに当たらない方法教えてあげる」

「本当？」

「うん、でもこれはAちゃん次第だからなぁ〜…」

「え、どういう事ですか？」

「やるからには本気でやらないと使えない技！」


私はゴクリと唾を飲み込み頷いた


「私、頑張ります」

「じゃぁ、耳貸して」

「はい」

「〜〜〜ってこと」


北人さんは天使のように微笑んだ
でも言ってることは悪魔のような…


「…それ本気で言ってます？」

「うん、ガチ」

「そんなの私には無理です」

「まぁ、やらなくても良いんだよ？だからAちゃん次第って言ったじゃん。俺はアドバイスしただけ〜」


自信満々な顔でそう言われると、本当に上手くいきそうな作戦のような気がして、私の頭の中は挑戦してみるべきか、しないでおくべきか…まるで天秤状態だ


「ほ、本番までに実行するか決めます…」


北人さんは笑って頷いた

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