あの子になれなくて

朝 ページ2

2015年にSEVENTEENがデビューしてもう3年が経った。男女混合のグループがデビューするのは珍しく、初めこそは批判も沢山あったが、今では私たち双子のファンも増えて平和に活動している。





そんな批判が減ってきたのには理由がある。
「完璧な双子の姉」と「おとぼけで明るい双子の妹」というキャラが次第にファンに認められたからだ。



「おはよう、クラ」

これが私の双子の姉。ユナだ。
何をやらせても完璧にこなすユナにファンは文句を言えなくなっていったのだ。

「おはよう、ユナ。こんなに朝早いのにいつも通り天使のようだ」

「もう何言ってるの、笑クラはすごい寝癖。出発に間に合わなくなってもいいの？ミンギュはもう起きてるよ！」

「え！ミンギュ起きてるの！？私より先に！？」

私たちは97生まれで
ミンギュ、ドギョム、ミョンホと同い年だ。

「私ウォヌオッパ起こしに行くから、早く準備してね」

「はーい」

寝癖がついたままリビングに行くと
そこには優雅にコーヒーを飲んでいるシュアオッパがいた。

「また寝坊したの？もう、どうして双子でもこんなに違うかな、顔は2人ともそっくりなのに」

シュアオッパが微笑みながら寝癖をなおしてくれた。

「だって眠いんだもん」

「だってじゃないよ、ユナが戻ってくるまでに早く準備終わらせて」

「あ、ミンギュ！！どうして今日こんなに起きるの早いの？」

「ユナが早起きしたら服買いに行くの付き合ってあげるっていうから」

「え！私は仲間外れ！？」

「別にクラは誘ってないでーす」

「ひどい！！スンチョルオッパに仲間外れにされたって言いつけてやる」

「はいはい、ミンギュもクラも喧嘩は終わり。早く仕事に行くよ」

「はーい。シュアオッパ…」


「何かうるさいと思ったら、またミンギュと喧嘩したの？」

「あ、ユナ」

「元はといえばユナが悪いんだよ、ミンギュと2人で買い物行こうとするから」

「そうでもしなきゃ、ミンギュ起きてくれないじゃない」

「いいもん、ドギョムと買い物行くから」

偶然リビングにやってきたドギョムに話を振ると

「え…僕？」

少し嫌な顔をする。

「え、何、嫌なの？」

「いや…じゃないよ。行こうね、クラ」


ドギョムはミンギュとは違って私にも優しくしてくれる。ミンギュはユナが大好きだ。それはもう飼い主の言うことならなんでも聞く大型犬の様だ。

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