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「……はい。開きましたが……」
「……外には出るなという言いつけは守っています。ですが思い出して見てください。そもそも外に出てはいけない理由は何でしたか？」
「『外部との接触を防ぐため』、です。……でも……」
「接触はしていない、そう言いたいのでしょう？」
どうしてそこまで知ってるんだ。あの時、自室にはもちろん、外にはあの男の子達しかいなかった。
使用人が監視しているわけでもない。かといって監視カメラやドローンがあったわけでもない。
ましてやお父様お母様の部屋は1階で僕の部屋は3階だ。
誰も僕が窓を開けるところなんて見てるはずがない。
だとすれば原因はひとつ。
「窓の鍵……ですか」
「よくわかりましたね。えぇそうです。全ての部屋の窓、窓だけではなく玄関やテラスの鍵も、鍵を開閉すると私に知らせが届くのです」
「…………」
狂ってる。おかしい。どうしてそこまでする必要がある。
鍵にそんな装置をつけるほど、僕をどうしたいんだ。
もうここまでくると「度を越えた英才教育」を通り越し「軟禁」だろう。
「外の世界は汚れています。本当に綺麗なものなどひとつもない。今の犯罪者の話もそうです。警察も表ではその連中を捕まえようと動いている素振りは見せているようですが、現実尻尾を掴めてさえいない」
「どれだけ見えないところで努力していようが、結果を残せていなければそれは無意味でしかない。……ただの飾りなのです」
駄目だ。
「少し話が逸れましたね。……そして貴方はこの神聖なる月半家の一人息子で後継ぎ。例え窓を開くだけでもそんな連中などに危害を加えられる可能性だってあるのですよ」
ああ、駄目だ。
「我が家の立場を考えなさい。後継ぎがいなくなるじゃないですか」
綺麗な笑顔が、気持ち悪い。
「後継ぎがいなくなるから」、か。
我が子の身が心配だから、じゃないんだな。
「貴方が窓を開き、何を見ていたのかは知りませんが結局何であろうと貴方とは住む世界が違うのですよ」
「そ、うですか……」
「ええ。だから今後一切、窓の外などに興味を持たないよう。分かりましたね？」
「……はい、お母様」
複雑な心境を悟られないよう精一杯の笑顔を浮かべて見せる。するとお母様は、やっと分かったかと言いたげにため息を一つつき、僕の頭を撫でた。
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水野ひのは(プロフ) - 桜華さん» 桜華様お褒めの言葉ありがとうございます！まだまだ拙いですがこれからも頑張らせて頂きます(´ω`*) (2019年4月3日 10時) (
レス) id: 3a4be96d33 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - 小説家になれる勢いですね。素晴らしいです (2019年4月3日 10時) (レス) id: b9cc7b26ac (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 飛騨エルシェ#絵描き同盟さん» そうですよね…お前その歳から京大でも目指してんのかーい！！くらい大変ですよ地獄ですね…。それほど月半家が厳しすぎてもはや狂気の英才教育の域に入ってるという事ですよ…怖すぎですね…。 (2019年3月2日 19時) (レス) id: e92d2c77de (このIDを非表示/違反報告)
飛騨エルシェ#絵描き同盟(プロフ) - 勉強時間やべぇ…(小六の平均1時間)(小5の平均50分) (2019年3月2日 18時) (レス) id: 38b9dbf946 (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 秋野ゆりさん» 秋野様こっちにもお越し頂き光栄です！！ﾋｪｯ…文才の塊だなんて…そんなそんな……本当に嬉しいですありがとうございます(開眼)そのお言葉を胸に頑張らせて頂きます！！ (2019年2月19日 10時) (レス) id: e92d2c77de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水野ひのは | 作成日時：2019年2月15日 22時
