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「っ、あの」
「市長……お父様から聞いた話なのですが」
「……はい」
僕の声を遮るように言葉を発したお母様。
その行動により、正直に話そうと喉まで出かけた言葉は再度喉の奥に沈んでしまった。
無駄に力んだ拳からじわりと汗が滲み出ているのが分かる。
「近頃、この上層区周辺で極悪な連中による放火事件や空き巣などの事件が多発しているそうです」
「…………」
「その連中は簡単に言うと犯罪者の集まり。少し他人に迷惑をかけて遊びたい、程度のただの不良も勿論いるようです。が、本気で人を殺そうとする殺人願望を持った者のほうが明らかに多い」
「……そ、そうなんですか」
「その連中の団名は “ハセ・イーヴルズ” 。連中を仕切る、リーダーの名から名付けられたようですね」
そう言うと凍てつくほど冷たい目で僕を見据えた。その瞳はどこか僕に対する怒りを隠したようにとれる。背筋に冷たいものが走る感覚。
……違う、違うな。
この感じお母様はこの話題を重要視しているわけじゃない。決してこの話をしたいわけじゃない。
この先に、本当に伝えたい内容があるはず。
「あの……つまりはどういう事でしょうか」
「……奏、貴方は本当に外に出ていないのですね？」
「はい。出ていません」
一体僕に何が言いたいんだろうか。
僕は一歩たりとも外には出ていない。これは紛れもなく本当だ。
不信感を抱きながら見上げると、お母様はわかりやすく表情を曇らせた。
これはマズい。気分を害させてしまったかもしれない。
心の底から湧き出てくる恐怖に身が縮こまる。野生の勘で、これ以上ここにいてはいけないと察してしまった。……善は急げだ。
失礼します、と言い軽く会釈するとその場から去ろうと足を一歩踏み出した。
瞬間。
「待ちなさい、奏」
引き止めるように大きく、鋭く尖らせたお母様の声に進もうとしていた足はピタッと止まる。
「つまり言いたかったのは奏、貴方……窓を開きましたね？」
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水野ひのは(プロフ) - 桜華さん» 桜華様お褒めの言葉ありがとうございます！まだまだ拙いですがこれからも頑張らせて頂きます(´ω`*) (2019年4月3日 10時) (
レス) id: 3a4be96d33 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - 小説家になれる勢いですね。素晴らしいです (2019年4月3日 10時) (レス) id: b9cc7b26ac (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 飛騨エルシェ#絵描き同盟さん» そうですよね…お前その歳から京大でも目指してんのかーい！！くらい大変ですよ地獄ですね…。それほど月半家が厳しすぎてもはや狂気の英才教育の域に入ってるという事ですよ…怖すぎですね…。 (2019年3月2日 19時) (レス) id: e92d2c77de (このIDを非表示/違反報告)
飛騨エルシェ#絵描き同盟(プロフ) - 勉強時間やべぇ…(小六の平均1時間)(小5の平均50分) (2019年3月2日 18時) (レス) id: 38b9dbf946 (このIDを非表示/違反報告)
水野ひのは(プロフ) - 秋野ゆりさん» 秋野様こっちにもお越し頂き光栄です！！ﾋｪｯ…文才の塊だなんて…そんなそんな……本当に嬉しいですありがとうございます(開眼)そのお言葉を胸に頑張らせて頂きます！！ (2019年2月19日 10時) (レス) id: e92d2c77de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水野ひのは | 作成日時：2019年2月15日 22時
