【A3!】たるちファンな私は転生して劇団の助監になりました3【茅ヶ崎至】

たるちファン＊レアモンスター化 ページ1

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｢なあ､太一は?｣

｢知らねぇ｣

｢またいねぇのか｡ゲームのメンツ探してたのに｣

｢ちょっと､A知らない?｣

｢さあ?最近は稽古見る以外にも仕事に復帰し始めたりしてるみたいだし､外出てんじゃないっすか?｣


冬組の本番も着々と近づいてきている今日この頃｡

記憶を失ってからは稽古以外､部屋にこもって俺とゲームをしていたAが部屋にほとんど返ってこなくなった｡

たしかに最近は芸能活動に復帰し大忙しになっていたAだったが､この1週間の出現率の低さは異常で､まるでレアモンスターだ｡

最後に見た時､目の下に真っ黒なクマができていたし､少し心配だった｡


｢2人ともどこいってんだ?｣


｢あ､監督!｣

｢どうしたんですか､支配人?｣

｢今鉄郎さんから連絡があって､大道具は順調に仕上がってきたみたいですよ!｣

｢本当ですか?良かった｣

｢衣装はどうなってるんでしょう｣


そういえば､いつもならそろそろ衣装も完成している頃だ｡

天馬の話によると､今回の衣装作りはかなり苦戦しているらしい｡


(あれ､そういえばあの2人っていつも幸のアシスタントやってたよな…ってことは)



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｢っだぁー!!ヤバい...手首痛い...死ぬぅ...｣

｢うっさい｡口動かしてる暇あるなら手動かせ｣

｢はーい...｣


いつもなら至さん(呼び捨てを希望されたけど恐れ多すぎてやっぱり無理)とゲームをしている時間､

今私はカンパニー史上1番作るのが大変であろう天使の羽根作りを手伝っている｡


私はさっぱり記憶が無いが､なんと幸ちゃんは私の裁縫の師匠らしく､私は昔できなかったはずの裁縫がプロレベルでできるようになっていた｡


｢幸ちゃんに裁縫教えてもらえるなんてなんて贅沢なんだろう...ぐへへ｣

｢キモい｡無駄口それ以上叩くなら口縫いつけてやろうか｣

｢ごめんなさい私が悪かったからその担いでるミシンを下ろしてっっ!!?｣

｢幸ちゃん落ち着くっスー!!そのミシンがなくなったらこの後衣装に修正かけるの大変っすよー!!?｣

｢...2人とも持ち場に戻って｣


激おこだった幸ちゃんは太一君がなだめたことにより落ち着いた｡

ただでさえ今回の衣装作りは気合が入っている為､私の1週間徹夜のおかしなテンションはなかなか神経を逆なでしていたらしい､ごめん｡


(...これだけ皆本気なんだもん｡お客さんにも熱意が届いたらいいなぁ)

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