ꕤ︎︎許しを乞う相手は ページ10
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すっかり温まった身体で柔らかいベッドに勢いよく寝転ぶと、いつも通り俺の気に入っている柔軟剤の匂いがした。
天蓋に散りばめられた星を見ていると、さっきの光景が頭に浮かぶ。
夕飯の席にいないテヒョンイヒョンと、当然これまた姿のない、付き人のA。それで何となく察していたけど、ジニヒョンのテヒョンは温室だと言う言葉だけで夕食はあっさり済んだ。
夕食後にジミニヒョンとこっそり様子を見に行けば、相も変わらず温室にもあるガゼボの中で夕飯を食べ終えたのか紅茶を飲むヒョンと、その後ろで静かに立つAがいた。
Aは静かに佇んでいたけど、俺らにはわかる。どうしたものか考えあぐねているのが。ヒョンはAが暗殺業を行うのをよく思ってないから、まああの取引の時点でこうなるとは思ったけどさぁ。
正直テヒョンイヒョンの執着は酷いんだよね。
薔薇を眺めてるようで多分、頭の中では散々な事を考えてる。
ゴールドスタインの一家をどうするかとか、Aを傍から離さない為の理由とか。どうせあっちは皆殺しにするくせに。
一国の王の首を刎ねてどうなるかなんて頭にないだろう。あるのは刎ねた後に訪れる平穏への思いだけ。彼女がそばに居るという事実だけ。
空は星が良く見えるほど澄み渡っているのに、その下で穏やかな時間を過ごしている筈のヒョンの内は陰っている。
Aが懐中時計を確認して、部屋に戻るよう声をかけて漸く口を開いたくらいだ。何したのか、何も無かったか問うては暫く口を閉ざして、静かに腰を上げた様子を見て、俺もヒョンと踵を返した。
「.....それ出したら、ヒョンどうなるんだろうね」
此処には居ない彼女。きっと正面切って言ったって困ったように微笑むだけ。そばに居たらヒョンは執着するけど、離れればヒョンはあらゆる手段を使ってAを連れ戻す。
ヒョンの手網を握れるのはAだけだけど、Aの事を縛るのもヒョンだけ。
表面上誰もが理想の主従関係だと褒め称えるそれは、1歩踏み入れたら血の跡と決して理解されない繋がりで出来ている。
別に悪いわけじゃないけどね。
悪く無いんだけど、危惧してるのはただ1つ、この先Aに何かあったら、ぐらいかな。そりゃ何も無く過ごせたら平和だけど。俺らも別に危険と遠い訳じゃないから。
何となく明日朝起きて、無事に1日終われると思えないなんて気もしつつ、久々に暴れて疲れた身体は直ぐに眠りに落ちた。
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
