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さらさらと流れるようにサインが書かれた1枚の紙を、ソクジン様は目前のソファに座る顔面蒼白で震えている女性と男性に寄せた。
足を組んでサインを促す様子は何処からどう見ても支配者の風貌。
「ゴールスタイン総統。貴方のサインで終結するのですが」
鋭さを内に秘めた冷たい目で見つめられた、例のテヒョン様へ自身の娘の交際申し入れを寄越した他国の総統閣下が、脂汗と冷や汗を何とかハンカチで拭いながら、どもった声で慈悲を、と口にする。
ソクジン様の後ろに控えているユンギ様と、反対に位置する私。
わざわざそちら側の国に訪問してまでソクジン様が取り付けようとサインした紙は、所謂貿易関係の利益のパーセンテージの見直しと、交際申し入れの破談だ。
静かにその様子を見守りつつ、頭の中ではありとあらゆる状況を頭の中でシミュレーションしている。
例えば、天井に取り付けられている目に痛いほどのシャンデリアのすぐ側にある換気口から、刺客が出向いたら、とか。
あるいは窓外から狙撃手に狙われたら。窓を蹴破って入ってきたら。
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総統閣下の指先が、ローテーブルの下へと隠れた。
上から降ってきた人影を蹴り飛ばし、窓から侵入してきた人物へと当て、そのまま起き上がられるよりも先に1人の上に馬乗りでナイフの刃先を首筋に押し当て、右手に持つトカレフを体制を整える為片膝をついていたもう1人の額に押し当てた。
本業は暗殺なのだ、このくらい造作もない。
『動かなければ殺さない。静かにしてろ』
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿残念だ、総統閣下」
「ちっ、違う！違うんだ私はただ！」
「もう少し話のわかる方だと期待していたのですが......私の護衛が気付かなければ今ごろ死んでいましたよ」
「お望み通り全面戦争と行きましょう。どちらかが消し炭になるまで、ね」
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扉が開いた先で、返り血を数箇所に浴びて立つジョングク様がつまらなさそうな顔をして早く、と急かされている。
ビリビリに破いた紙を2人の頭上に舞わせたユンギ様と、絶対的な風格を持って部屋を出るソクジン様を確認してから、此方に歩いてきたジョングク様。するりと右手に添えられた指先が力を入れて、パシュ、と小さな音で1人が倒れ込んだ。
それから左手から奪い去られた短剣で、引き摺ってバルコニーに出したもう1人の喉を掻っ切ってしまわれたのだった。
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
