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ꕤ︎︎言うなれば捨て駒 ページ5

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彼女がテヒョンアに目をつけられた時、思わずこぼした笑い声。

隣で信じられないと目を剥いた弟たちの顔も、今なお鮮明に思い出せるほど衝撃的だった。あのテヒョナが、自分で仕える人間を選んだ。


父が存命だった頃のテヒョナの付き人事情は兄弟の中で最も最悪で、酷い時は1日で解雇。理由は何時もそう、「気持ち悪い」の一言。




顔がいいテヒョンの事を、純粋に主として見る人間はいなければ、父に怯えて必要以上に媚び売る大人ばかりが溢れかえる。

一体誰がへらへらと自分たち子供に媚びる大人を見たいのか。



テヒョナは特にそれを嫌がった。圧力という名の支配が大嫌いだった。




だから、きっと一目でわかったのだろう。


自分と変わらない子供が、まっすぐ希望に満ちた目で此方を見ているのを。正しさと間違いを諭せる子だと。

そういう人を見る目に関しては、誰よりも長けているから。









事実その後の彼女の行動は見ている此方も好ましかった。


テヒョンアを宥めて諭し、時には間違った認識を棘の無い言葉で静かに正しい方向へと向け直す。それを鼻にかける訳でも無ければ、寧ろ必要最低限のみの言葉で思考へと促しているイメージだ。

テヒョナと同じ歳には、到底思えないほど。



特にユンギが大層気に入って、1度Aの移動を申し出た。外交やその他の執務で役職を与えればどうかと。




まあ5日でAはテヒョンの元に戻ったが。






外交先でAの洞察力が発揮されたらしく、近々こちら側に攻撃を仕掛けてくると言う情報通りにドンパチ始まったのが2日後。3日で制圧したのはテヒョンアが前線に許可もなく赴いてあちら側の用意していた勢力を1人で皆殺しにしたからだ。


当然無事では済まなかったテヒョンアは丸1日寝て起き抜け、俺に謁見するや否やたった一言。









「Aを返してヒョン。俺に前線に出て欲しく無いなら」








実質の脅し。



にこりともせずに吐き出された言葉に返事をする前に出てってしまい、俺は1人で笑い転げた。






そうしてAに移動の取りやめを告げ、戸惑うその姿に言葉を投げかけたのだ。














テヒョンア(君主)の手綱、きちんと握っておいてね」


















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「感動しちゃうよねぇ」

「....だからって、何もこんな仕組む必要あんの?」




写真の中で笑みを浮かべる他国のお姫様(捨て駒)に、にこりと笑ってペン先を突き刺して見せた。




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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません!ありがとうございます!励みになります! (4月20日 1時) (レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです!描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです!続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:▲たると▽ | 作成日時:2023年10月31日 0時

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