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‪✿ ページ22

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医務員もいない医務室で、ベッドに沈む私と横で椅子に座って窓の外に目をやって黙りを決め込むテヒョン様。

胃が痛くなるほど冷えきった空気感がチクチクと刺さる。



泳いでしまう目を結局テヒョン様に戻して、見えた頬についたままの血に思わず手を伸ばした。それを、こっちを見たまま微動だにせず享受する。




『衛生的に良くないです.....拭くものだけでも、』

「お前は動かないで。自分でやるから」

『.....申し訳ございません』




そばにあったタオルを水で濡らして頬を拭いていたテヒョン様が、謝った私を見て目を細めた。





「何に謝ってんの、それは」

『それは....不甲斐なさと、倒れた事と、お手を煩わせた事と、』

「なら見当違いにも程がある」




冷たい声で突き放すように言われ、一瞬息が詰まった。






わからないのだ。




いつも、主君の考えていることはわからない。








わかりにくくて、言葉の裏にある不器用な何かに気づくには、いつも時間がかかって。知ろうとして、いつも頭を悩ませる。



言葉にしない、表に出さない。それが今、かなり痛手であった。









「お前はいつも、自分の命を顧みない」







天井を見ていた目を、テヒョン様に移す。





「毒を口にしても動いたせいで、回りが早くなった。抜け切ってないのに病室を抜け出して、通すなって言った門兵を破って入ってくる」







おっしゃる通り。








「俺、誓わせたよね?破るつもり?」













"お前は俺のそばで俺と共に朽ちるんだよ"
















『.....いいえ。貴方様に、テヒョン様にお誓い申し上げた言葉に嘘はありません。破るつもりなど、決して』

「へぇ、その割には死に急いでたと思うのは気の所為?」

『忠誠を誓った主君の命が脅かされれば、私も耐え兼ねます』










『テヒョン様はお聞きした事はございますか?』



















_______________『君辱臣死という言葉を』














やっと、その目の色が変わった。


知っている筈だ。貴方が読んでいた本を、私も知っているのだから。





見開かれた目に、陰っていたものはもう影もない。

いつかお伝え申し上げた通り、私は貴方様が望むなら叶えるのです。例えそれが、どんな無理難題であれ、道徳に反したとしても。














『テヒョン様に誓った忠誠は、生涯破ったり致しません』












貴方が望んで下さるのなら。





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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません!ありがとうございます!励みになります! (4月20日 1時) (レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです!描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです!続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:▲たると▽ | 作成日時:2023年10月31日 0時

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