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冷たいコンクリートの壁に背を向けたジミン様とジョングク様の向こうで、椅子に縛り付けられた男に向かい合う主君の後ろ姿。
見張り役なのかユンギ様がその横で私に目を向ける。
細めた目が私の姿を上から下まで見るなり、溜息を零した。
申し訳さなと不甲斐なさに襲われるが、処罰もお小言も後で幾らでも受ける気でいる。それよりも今は、あの怒り狂った主君をどう止めるかが最難関であって。
その距離あと数歩の所で脚を止める。
『テヒョン様』
「戻って」
『テヒョン様、1度止めて下さい』
『今すぐ戻って言ってるのが聞こえない？』
左手の甲に刺さった釘を木製の台へと深く打ち付けた瞬間、咆哮のような悲鳴が上がって、耐えきれなくなる。
『っテヒョン様！』
「戻れよ！！！」
びくんと身体が震えた。
一気に身体の芯まで水を浴びせられたかのように冷えきっていく。
静まり返った地下牢に、男の啜り泣く声とうわ言のように許しを乞う声だけが響いた。けれど、そのままでは情報すら葬られてしまう。
出来る限りの情報は抜き取るべきだ。
どうして、ソクジン様は止めないのだろう。
「戻れ。今すぐに。毒も抜け切ってないのにどう言うつもり？ねぇ、俺がどんな思いでいたかも知らないくせに止めるの？俺が、Aを殺されかけて普通でいられると思ったわけ」
完全に瞳孔が開ききっている。振り向くなり凄むように詰め寄ってきたテヒョン様と私の間に、もう1歩の距離すらも無い。
横の壁を大きな音を立てて殴ったせいで、男は可哀想なほど萎縮し、赤ん坊のように泣く。そりゃそうだ、両手の爪は無いし釘は打たれるし、水に入れられたのか全身濡れている。
そのせいで止まる血も止まらないのだろう。唇が色を無くしていて、このままいけば本当に尋問前に死ぬことになるだろう。
「それとも何？この男に同情してんの？お前と俺を殺そうとした此奴に」
『微塵もしていません。気にしているのはそこでは無いのです。あの毒は私でも知りません、もし仮にあの毒が新種なら、その情報は是が非でもこの国にとって抜き取らなければならない物です』
「ほーん.....成程ね.....おい、一旦やめだ」
「え、此処で？ジョングガなんてまだ何もしてないのに」
「Aですら知らねぇ毒を放っとけるか馬鹿。さっさと出ろ」
「A、お前はテヒョンと医務室に戻ってろ」
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
