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夜遅くに解散した社交場に場内に戻ってすぐ湯浴みを済ませ、自室で書類を静かに見ていた。暫くしてノックされた扉からテヒョナが入って良いかと問うてきて、快く返事をする。
入ってきたテヒョナの後ろにはAが居ない。
それだけでも何となく察したが、気にせずソファに腰掛け、目の前で未だに目の中に静かな炎を燻らせる弟を見る。
「どうしたの？」
「どう言うつもり？Aが来るなんて言ってなかったよね」
「言ったら止めるからだよ」
「ヒョン」
「テヒョンア、お前は少し自由にさせ過ぎたね」
気まぐれは仕方ないとは、もう言えない。あの頃の無垢で子供だった自分たちとは環境が違う。
僕たちに付きまとうのはこの「セブンヘブン」の王族という肩書きであり、絶対的な権力と、少しの油断で死ぬという事実。ましてや情報の漏洩など考えたくもない。
「お前が暴れる事で従者のAにも注目が集まってる。今回参加させたのは怪しまれない為だ。わかるね、テヒョナ。Aの情報が万が一外に漏れれば、あの子はお前の元には居られなくなる」
暗殺者という生業の厄介な所は、同業者間での潰し合いが烈火する事であり、もしもAがそうだとバレれば瞬く間に身を守りたいが為に不穏分子を消そうとする輩は急増する。
あの子が狙われればテヒョナの傍には置けない。
ぱちぱちと薪が燃えるのを見るのをやめて、肘置きに着いた頬杖はそのまま視線をよこすと、テヒョンは静かな目をしていた。
あの子の事になると途端周りに目を向けなくなったのだから、これで多少目が覚めるだろう。
自分の行動次第で、己の首を絞めること。あっさりと絡んだ鎖がちぎられてしまう事を。
「良いね、テヒョンア。これは単なる罰でも命令でもない。弟のお前に言うんだ。傍に置いておきたいなら、言動には気をつけて」
ゆっくり、
ゆっくりと頷いたテヒョナが、掠れた声でありがとう、というから、近づいて抱き締めた。僕が王位を継いだって、変わらない可愛い弟。
弟の幸せの為なら、喜んで悪役だって買って出るさ。
「ヒョンがいるから大丈夫。だけどもう無茶はやめろよ」
クス、と笑うと見せた笑みを、あちこちに散らばる無邪気で無垢な一面を壊すものがあれば俺が斬って捨てる。
邪魔なものも。
「ジニヒョンがヒョンで幸せだよ、俺」
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
