ꕤ︎︎目は口ほどに物を言う ページ16
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ゆったりしたバラードをオーケストラが弾く宮廷で、緩やかに男女が手を取り合って揺蕩う傍ら、グラスを片手に2階から見下ろす。
僕が誰かの手を取ったら十中八九世論はざわめき相手の国もただでは済まないだろう。他国のお姫様達が表面上を取り繕って必死に弟たちを誑そうとするのを見て笑みを浮かべる。
隣では前髪をきちんと固めたユンギがヨンジュナに耳打ちされて、溜息をついた。
「このワインどこのだろうね」
「ヒョン、テヒョナが限界そうだと」
「駄目だよ。まだ。ヨンジュナ、付かず離れず宜しくね」
一礼して人の波に身を隠すのを見送って、手すりに肩肘をかけて背面の光景に目を細める。どこに居ても目立つねあの子は。
令嬢みたいな格好をさせている訳じゃない。豪華絢爛な装飾と派手で踊りにくいイブニングドレスとはかけ離れた、至ってシンプルなドレス。
淡いグレー1色のAラインドレスにあしらわれたたっぷりしたレースは左右に上から下へと金の蔦と白の薔薇が落ちていて、デコルテは真っ白な肌が見えている。緩くまとめられた髪にも1本の白薔薇と、耳には万一の為の超小型カメラと発信機付きのフープ。
男爵クラスから公爵クラス関わらず視線を一身に受けるその子の傍に、此処からでもわかるほど目に複雑な業火を静かに宿す可愛い弟がいる。
万々歳だ。何もかもが上手くいった。
あんな麗しい女性が、怪しいわけが無いと思い込む中年に、心を奪われて疑うことを知らない男達。同じ女性として嫉妬と羨望の視線を送る令嬢に、従者という同じ立場だと疑わずに近づこうとする男共。
同じ立場？
勘弁してくれよ、Aは違う。お前らとは違う。
ふんわりと浮かべられた笑みの裏で、きっと冷や汗が滲んでいる事を知らないだろう。あの子の血に濡れた軌跡と、雁字搦めになった鎖も。誰とその鎖が繋がっているのかも。
「もう少し......テヒョナに罰を認識してもらわないと」
「....真逆あん時の単独で乗り込んだ、」
「あの子に効く罰はね、Aとの間に何かが割り入る事だと思うんだよね。始末書も謹慎も駄目なら、少し痛い目見て貰わないと。またあんな事されたら溜まったもんじゃないでしょ」
口角をヒクつかせるユンギに、ほんの1口分残ったワイングラスを掲げた。
「勝利に」
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
