ꕤ︎︎ ページ11
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「あーあ、結局こうなるんじゃん」
苦笑しながら血で汚れた頬を真っ白なグローブで拭ったジミニヒョンの視線の先には、血と死体で溢れかえった中でぼんやりと立っているテヒョンイヒョンがいた。
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昼を過ぎたあたり、ジニヒョンの一斉通達によってゴールドスタインが治める国が傭兵を動かした事を知らされ、こっちも兵を率いて全面戦争に持ちかけた。
当然精鋭部隊を見つけるのには骨が居る作業だけど、大抵は進んでいればどっかでぶつかる。なのに今回は夕暮れ時になっても一向に当たらない。手応えが全く無い状態のまま、敵国の中心地にまで攻め入った。
そしたらこれだ。
暗殺業に長けている事を他に明かさないAの一族は、万一他に漏れることがないように戦争時は参加を禁止されている。
だからヒョンは遠慮なく暴れられる。
広い穏やかな草原に踏み倒された小さな花は所々から赤黒く色を変え始め、やがて1色に変化した先でヒョンは自身の剣をだらりとした腕で持ったまま、見晴らしのいい遠くから上がる黒煙を見ていた。
城下町で上がる悲鳴とそこらで聞こえる爆発音、火薬の匂い。
けれどそれらがまるで無かったように穏やかに立つ姿はいつ見たって現実離れしている。
ヒョン、と声を掛けようとして、城内から逃げてきた2人に口を閉ざす。
「総統と娘だね、あれ」
「うん。俺が行った方がいい？」
「いや？死にたくないでしょ。このままで良いよ」
短い会話の内に、静かに佇んでいたヒョンは死体を踏みながら2人に近寄っていた。相変わらず脂汗をかいて顔面蒼白な総統の剣を持つ手は酷く震えていて、お姫様の方は今にも崩れ落ちんばかりだ。
「く、来るな！！」
ヒステリックに叫ぶのにも何の反応も示さず、ただゆっくりと歩み寄る。後がないのだ、四方八方俺らと兵がいるせいで。残された選択肢は命乞いをするか、殺すか。
でもどうやら今回はちょっと違うらしい。こんな時にも着飾ったお姫様が、跪いて許しを乞い始める。
たすけて、本当に好きなの、後は何を言いたかったんだか。
瞬きの間にその甘く囁いていた首から上は地へと落ちていた。
次いで身体は前へと倒れ、総統は泡を吹いて激昂し、ヒョンに突っ込むなり止まる。肺を貫かれたせいで変な呼吸音をしだし、痙攣して、苦しんだ末に息絶えるのを、黙って見ていた。
「あーあ」
許しを乞う相手はさ、選ばなきゃ。
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
