✿臣下という立場の始まり ページ1
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世界各国でも楽園とまで言わしめるこの〖セブンヘブン〗という国は、数十年前までは絶対王政の、所謂独裁政権で成り立つ悪循環極まりない地獄のような場所であった。
領域全土に置いて税を搾り取り、絶えず飢餓と貧困に苦しむ民衆の声を焼き払うことで解消するような。
それが、皮肉にも自身の息子、長子に当たるソクジン様の手によって終わりを迎えたのが12年前。あの方は15歳にして前王、実の父親を外部を使って手にかけた。
その外部というのが、元8世王までそばで仕えていた私たち一族であった為に、世間では病死とされた前王が実はそうでない事を知っている。
前王は9世にあたるが、一斉解雇の影響で私たちは遠方の辺境地で静かに暮らしていた所に、何故かソクジン様が手紙を寄越したのだ。
そうして現在はソクジン様の政権の元でこれ程まで国勢が整ったのだが、ソクジン様は自身が王となると同時に私たち一族を呼び戻し、再びセブンヘブンの城内での仕事を任される事となった。
例に漏れず私も両親の若かりし頃と同じく暗殺者という仕事を振り当てられるだろうと、教え込まれたありとあらゆるものを生かそうと構えていた12歳。
そして現在〖専属付き人〗となった原因であるあのお方に運悪く目をつけられたのも、同じ歳だ。
"この子が俺につくなら、言うことちゃんと聞くけど"
忘れもしない、新たに雇われる事となった新人の初任式にて、突如目の前で此方を見下ろすその視線の温度も、声も、場が凍った瞬間も。
あの時は王族の言うことに拒否するなどという選択肢は勿論頭になかったから全力で頷いたものの、今となっては私の頭を悩ませる問題の根源だ。
何だ専属付き人って。私みたいな若造の仕事じゃないんだよ。普通は両親みたいに歳をとって現役を引退した世代がすることで、事実両親もその考えだった為に当然、使用人の勉強などさせていませんから、と顔面蒼白で説得を試みた。
結果は現状を鑑みればわかってしまうだろうが、てんでダメだった。
"なら今後とも俺は勉強も何もやらないし言うことも聞かない"
にこりともせずに吐き出された言葉に周りは固まり、ソクジン様だけがにこにこと楽しげに王座で頬ずえをついていた。
そんなこんなでつまるところ、私はセブンヘブン第6王子、テヒョン様に仕えているのだ。
(退職届の字だけが上手くなる)
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▲たると▽(プロフ) - 茜さん» 長い間ご返信遅くなってすみません！ありがとうございます！励みになります！ (4月20日 1時) (
レス) id: 4ea375d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 設定からもう最高に面白いです！描写が丁寧で情景が浮かびやすくてすごいです！続き楽しみにしています💕 (11月23日 0時) (レス) id: 1a56d20f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2023年10月31日 0時
