夢の小人19 ページ19
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目が覚めて1番に目に入った真っ白な天井は、何故か酷く居心地が悪かった。
ヒョンたちに連絡すると出てった母さんの顔色は優れなくて、残されたヒョンが身体は大丈夫か、と優しく頭を撫でてくれる。
大丈夫だよと笑うのに、ヒョンは少し困ったような笑みを浮かべた。
「...ジョングガ、お前ももう、大人になったんだよな」
静かな病室に、やけに感情の込められた一言が廻っている。
窓の外の光が眩しくて、すぐ真正面の壁掛け時計が正午を指すのを見るに、丸一日眠っていた頭が何となくヒョンの言葉を拒否したいような、聴き逃してはいけないとでも言いたげに葛藤を繰り返している。
変に胸元がざわついて、五感が研ぎ澄まされているような気さえする。
「母さんも父さんも結局、どうしていいかわかんなくてさ」
「俺も.....未だに迷ってるよ。どうするべきなのか」
俺が倒れたことに対してじゃない。
ヒョンの声と顔と、雰囲気も何もかもが違和感だ。
『...ヒョン、何の話してるの？』
上半身を起こして覗き込んだヒョンの目元が、揺らめいていて。
光をめいっぱい取り込んで、最早表面張力を崩さんばかりの涙に身体が固まって、言葉が喉に張り付いた。
ヒョンの泣いてるとこなんて、もう何年も見てないから。
掠れた声で名前を呼んだら、耐えきれず瞬きと共に涙が零れた。
「ジョングガ」
『....うん』
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「ずっと......ッずっと、黙ってて、ごめん」
『ヒョン』
ず、って鼻を啜って、涙を乱雑に、パーカーの袖で拭ったヒョンが、努めて優しげに笑おうとする。
『大丈夫だよ。俺、何となくわかるんだ...夢で見たから』
長い夢だった。
あの柔らかな髪を揺らめかせて、綺麗な目から絶えず零れ落ちていた涙。
まるで進もうとするのに足が動かないみたいに、見ているこっちが苦しくなるほど静かに、耐えて泣くあの子の姿がまだ見える。
その足元に転がったカメラは、何だか少し懐かしくって。
何でか気づいたら手を伸ばしていて、その身体を抱きしめるあと一歩のところで目が覚めたんだ。
聞こえた誰かもわからない声が、起きて、と言うから。
『ヒョン、話して。大丈夫だよ俺』
『あの子のこと、知りたいんだ』
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▲たると▽(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます！！ずっと温めていたお話なので、まったりお楽しみください(* ´ ` *) (2021年4月5日 22時) (
レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ジョングク氏、キター！！！すでに面白くて、楽しみです♪( ´▽｀) (2021年4月5日 22時) (レス) id: 7793550341 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2021年4月5日 19時
