夢の小人13 ページ13
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誰しもみんな、人には言えない秘密のひとつやふたつ、持ってるものだけど。
私が持ってる秘密は一体、私自身も知らない私の隠し事は、どれだけあるんだろう。知ってしまうのは怖いくせ、知りたいと思ってる。
私の持ってるそれは、何なんだろうか。
ぼんやりと目の前で眠るジョングクさんを見つめて、そっと窓際に座る。いつもより大きく見える月は、どうやらスーパームーンなんて呼ばれてるらしい。
天界じゃいつだって、月は大きかったけど。
穏やかな寝息が室内を何度も廻ってくのを、ただただ安堵しながら聞き入った。ああ今日も眠れてる。今日も夢を見る。でも、それは決して見たかった夢ではなくて。
貴方が望む夢は、一体どこに隠したのか。
『誰にも言えない秘密が、夢なんですか』
子供の頃には大きく語った夢を、人は大人になるにつれて口に出す事を躊躇って、そうやっていつしか忘れていく。
子供の頃の夢は？成りたかったものは？好きだったことは？
なんて窮屈なんだろうって、なんて儚いんだろうって、その度思うの。人の命なんて呆気なく散るんだから、言えるうちに言えることは言えばいい。言葉にしなきゃ汲み取ってくれない世界だから、言わないと伝わらない。
それでも言わないジョングクさんは、抱えてる秘密が大きいのか。それとも、彼自身の心持ちが原因で、言えないだけなのか。
テヒョンさんは、びっくりするほど素直な人だ。
これが嫌い、これが好き。子供の頃は何が夢だった。今の夢は何か。まるで今まで全てを素直に受け止めてるようなあの人は、本当にどこか神様に似ている。
だから、思ったことを隠せない。
私が何か、思い出せない或いは思い出したくない何かを持っていることを知って、テヒョンさんは考え込んでいた。
もしかしたら、何かに気づいてるのかもしれない。
聡明な人だ。人の感情に敏感で、かけられる言葉は甘く優しい。
あの人の持つ世界はきっと、暖かくて優しい光だ。
『......夢を見るのは、もう嫌ですか？』
返ってこない返事を待つことなく、淡く月明かりに照らされた窓際で、目を瞑った。何となく、彼に近づいてはいけない気がしたから。
その日、私は夢を見ることなくぐっすりと、朝まで眠った。
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▲たると▽(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます！！ずっと温めていたお話なので、まったりお楽しみください(* ´ ` *) (2021年4月5日 22時) (
レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ジョングク氏、キター！！！すでに面白くて、楽しみです♪( ´▽｀) (2021年4月5日 22時) (レス) id: 7793550341 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2021年4月5日 19時
