謎の現象、出所不明の虚の襲撃 ページ4
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【一護の世界/一ヶ月前】
ルキアは隊員達を引き連れ、西流魂街の外れへと急いでいた。大量の虚が出現し、住民を襲っているとの目撃情報があったのである。
しかし今回の通報には、大きな違和感があった。
通常、尸魂界に虚が侵入する際には、技術開発局の監視チームがその反応を捕捉し、担当部署の隊に直接指令が入る様になっている。
だが、今回の通報は技術開発局を通したものではなく、その場に居合わせた死神達からの緊急通達だったのだ。しかも、「大量の虚」が襲撃していると……
既に大量の怪我人、死人が出ているらしい。このレベルまで被害が出ていて、技術開発局が何の反応も示さない筈がない。明らかに様子がおかしいのだ。
そしてルキアは、その様子のおかしさが何であるのかに少し勘付いた。
ルキア「何故だ……何故何も感じられないのだ？！」
凄惨な戦場と化した場所が流魂街の一角が、目視で確認できる距離に近づいた。大量の虚も目に見えている。
なのにも拘わらず、感じるのは近くに居合わせたであろう死神達が戦っている霊圧のみ。
これだけの虚が近くに居るというのに、気配すら感じれない…。
明らかに異常な状況に、隊員達は戸惑いと焦りを隠しきれない様子だ。
ルキア「焦るなお前達、捕捉が出来ない事がなんだというのだ!」
ルキアの喝に、隊員達はハッとする。
ルキア「しかし、気配が感じ取れないということはより注意が必要だ。くれぐれも気を付けて掛かる様に!お前は本部に状況を説明し、戦闘員を出来るだけ沢山向かわせるよう手配せよ!」
「 「 「はっ!」 」 」
【技術開発局】
阿近は焦っていた。
まさか虚の出現を観測出来なかったと?
しかも、大量に？機械類や設備に異常がないというのにあり得るのか……。
リン「ダメです!現着した隊員達の情報を元に再観測しましたが、虚の霊圧を捕捉出来ず…!」
マユリ「んー、実に不可解だ。これは今回の虚を研究せねば、どうにもならんネ？」
鵯洲「現在、十三番隊、朽木副隊長の要請で各隊の戦闘員が現場に向かっておりますが？」
マユリ「では、捕獲の要請を出そうか。ネム、支度をしたまえ」
ネム「はい、マユリ様」
突如として現れた捕捉不能の虚。
この事件がまだ、引き金ですらないことは誰も知らない。知る由もないのだった。
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作者名：いちごたると | 作成日時：2020年7月25日 8時
