増える足音の怪 其の拾壱 ページ21
一方花子に近づいた男性はとりあえず花子を軽く叩いていた
しかし、寧々もやっていた通り、起きる気配はない
「お〜い、七番サマ起きてくださいよ」
しかし、うめき声を上げるだけで起きない
ついにはなにを思ったのか思い切り背中を叩いた
「せ、先生それは流石に…」
オロオロと寧々が言うと「だぁいじょうぶだって」とばっしんばっしん叩き続ける
すると体から黒い煙が出てきた
体から黒い煙が出てきて、それが抜けきった後
「……いったぁぁぁぁ!!?」
急に叫び声を上げて、飛び起きた
「…は、花子くん!起きたのね!」
最初は驚いたものの、起きたということに喜び、飛びつく
「え…あ、ヤシロ?あれ…俺どうしたんだっけ?」
状況を把握しきれず、泣きそうな寧々をなでながら男性を見る
「…土籠?」
土籠、と呼ばれた男性は煙管の煙を吐いて寧々と花子を見た
「そーですよ。何やら騒がしいとこっちに来てみりゃ…あんなのが居るんですからびっくりですよほんと」
ちらりとヤコが戦っている相手を見てため息をつく
太郎も一緒に戦っているが、相手のほうが上手の様だ
「今はどうにかなってますが、今我々は大した力がないんでね、七番サマしかあいつは倒せねぇんですわ」
首元を掴んで、立ち上がらせる
花子は少しよろめいて、立ち上がる
____ガッキィィィンン!!!
「ヤコさん!!」
寧々が叫び、ハッとして前を見ると、ヤコが髪切りバサミで影を抑えていた
…いや、押し返されているようだ。太郎がその後ろで倒れている
白杖代は太郎の周りを舞い、倒れている太郎をついている
どうやら気絶をしてしまったようだ
「…早くしないと…っ!
土籠!ヤシロを頼むね!」
包丁を握り直して、走っていく
後ろで気怠そうな返事が聞こえ、それを肯定として流す
「ヤコっ!」
「七番!遅いわよ!」
額に軽く汗を浮かばせたヤコは花子を見るなりそう叫ぶ
その手は震え、だいぶ疲労が見られた
「その子、こいつになんかされて倒れたのよ!」
「状況は大体わかった!ヤコは太郎を連れて下がって!」
包丁を構え、言うと「次やられたら見捨てるわよ!」と言い、渾身の力で押し返す
影は押し返され、一旦よろめく
その空きを狙い、ヤコは太郎を掴み土籠の方へ、花子はそれを入れ替わる様に人形から這い出た影と向き直った
「さっきはよくやってくれたね、次は油断しないよ」
包丁を向け、花子は膨れ上がった人形を睨んだ
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白夜の幻想者 - あいうえおさん» あ、そうでしたね…!ご指摘ありがとうございます…! (2019年4月7日 14時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 花子くんはヤコさんのこと「二番」って言っていたような気がします (2019年4月7日 0時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 透空さん» えと、ごめんなさい…いろいろあって一個だけしか更新できなかったです…今はどうにか一段落したのでそちらも続けられます…! (2019年3月4日 7時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - ごめんなさい、突然…。合作のことなのですが、続けられますか?私はどちらでも良いので白夜さんが決めて頂ければと思いまして…。少し考えて頂けたら嬉しいです。 (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 最近ネタが浮かばないこの頃です。更新が全然進まず申し訳ありません! (2019年2月16日 11時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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