検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:40,236 hit

増える足音の怪 其の拾壱 ページ21

一方花子に近づいた男性はとりあえず花子を軽く叩いていた

しかし、寧々もやっていた通り、起きる気配はない

「お〜い、七番サマ起きてくださいよ」

しかし、うめき声を上げるだけで起きない

ついにはなにを思ったのか思い切り背中を叩いた

「せ、先生それは流石に…」

オロオロと寧々が言うと「だぁいじょうぶだって」とばっしんばっしん叩き続ける

すると体から黒い煙が出てきた

体から黒い煙が出てきて、それが抜けきった後

「……いったぁぁぁぁ!!?」

急に叫び声を上げて、飛び起きた

「…は、花子くん!起きたのね!」

最初は驚いたものの、起きたということに喜び、飛びつく

「え…あ、ヤシロ?あれ…俺どうしたんだっけ?」

状況を把握しきれず、泣きそうな寧々をなでながら男性を見る

「…土籠?」

土籠、と呼ばれた男性は煙管の煙を吐いて寧々と花子を見た

「そーですよ。何やら騒がしいとこっちに来てみりゃ…あんなのが居るんですからびっくりですよほんと」

ちらりとヤコが戦っている相手を見てため息をつく

太郎も一緒に戦っているが、相手のほうが上手の様だ

「今はどうにかなってますが、今我々は大した力がないんでね、七番サマしかあいつは倒せねぇんですわ」

首元を掴んで、立ち上がらせる

花子は少しよろめいて、立ち上がる


____ガッキィィィンン!!!


「ヤコさん!!」

寧々が叫び、ハッとして前を見ると、ヤコが髪切りバサミで影を抑えていた

…いや、押し返されているようだ。太郎がその後ろで倒れている

白杖代は太郎の周りを舞い、倒れている太郎をついている

どうやら気絶をしてしまったようだ

「…早くしないと…っ!

土籠!ヤシロを頼むね!」

包丁を握り直して、走っていく

後ろで気怠そうな返事が聞こえ、それを肯定として流す

「ヤコっ!」

「七番!遅いわよ!」

額に軽く汗を浮かばせたヤコは花子を見るなりそう叫ぶ

その手は震え、だいぶ疲労が見られた

「その子、こいつになんかされて倒れたのよ!」

「状況は大体わかった!ヤコは太郎を連れて下がって!」

包丁を構え、言うと「次やられたら見捨てるわよ!」と言い、渾身の力で押し返す

影は押し返され、一旦よろめく

その空きを狙い、ヤコは太郎を掴み土籠の方へ、花子はそれを入れ替わる様に人形から這い出た影と向き直った

「さっきはよくやってくれたね、次は油断しないよ」

包丁を向け、花子は膨れ上がった人形を睨んだ

増える足音の怪 その拾弍→←増える足音の怪 其の拾



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
59人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白夜の幻想者 - あいうえおさん» あ、そうでしたね…!ご指摘ありがとうございます…! (2019年4月7日 14時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 花子くんはヤコさんのこと「二番」って言っていたような気がします (2019年4月7日 0時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 透空さん» えと、ごめんなさい…いろいろあって一個だけしか更新できなかったです…今はどうにか一段落したのでそちらも続けられます…! (2019年3月4日 7時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - ごめんなさい、突然…。合作のことなのですが、続けられますか?私はどちらでも良いので白夜さんが決めて頂ければと思いまして…。少し考えて頂けたら嬉しいです。 (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 最近ネタが浮かばないこの頃です。更新が全然進まず申し訳ありません! (2019年2月16日 11時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白夜の幻想者 | 作者ホームページ: ないよー  
作成日時:2018年9月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。