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始まりの大地 ページ1

ザーッ、ザーッ、

砂浜に間隔をあけて白い泡を吹いた波が打ち寄せる。

辺りは墨(すみ)を流したように暗く、太陽も月さえも見えず、星の光だけが弱々しく辺りを照らしていた。

人っ子一人姿を見せないこの島

島の端の方で、狼の遠吠えが聞こえた。

狼は、岩場の陰で気を失っていた少女を必死に陸にあげようとしている。

半身を海に沈ませた少女は、今にも海の底に連れ込まれそうだ。

狼は鋭く尖った歯で少女のフードを口に咥(くわ)え、後ろに少しずつ後退しながら少女を陸に引き上げた。

少女は荒い息を繰り返し、肌も青白く染まっている。

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設定タグ：異世界 , 冒険   
作品のジャンル：ファンタジー, オリジナル作品
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作者名：雛菊 | 作成日時：2017年8月21日 9時

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