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「契約って、どういう事っすか。」
最初に切り出したのはザップだった。スティーブンがそう言った類に敏感なのは、ザップは十二分に知っている。
薬に対しては犬みたいに鼻が効くし、強力な呪術避けも携帯している。その上「いくら信頼していていたとしても、ライブラに害を為すなら餓鬼でも殺す。」とまで言っていた。
そんな彼が、「契約した。」などとあっけからんに言う日が来るとは、ザップは思ってもみなかったのだ。
「馬鹿な俺でも分かるように説明してくれますか。」
この人に、ライブラに、一生付いて行こう。その決心をした時以来である。ザップがスティーブンに対して疑念を抱いたのは。
コンコン
小気味よいノック音が、一部修羅場と化した病室の空気を打ち壊す。「失礼しますよ。」と先程の医師の一人がショッキングピンクのバインダーを片手に入ってきた。
病室に、そもそも病院でそのピンクは無いだろう。せめて緑とか青とか目に優しい色にした方がいい。とレオナルドは思った。
「ミスタ・スティーブンの検査結果が出ましたよ。」
少し下がった眼鏡を上げて、医師はバインダーに挟まれた紙をめくった。
「貴方の生命活動は一度停止しました。しかし外部からの影響により、死滅した細胞の形状変化をもたらした後に活動を再開しています。」
チェインがザップの手のひらの上に現れたと同時に、ぎゃあ！と獣みたいな悲鳴が上がる。ザップは怒りスイッチがオンになったらしく、病室にもかかわらず騒ぎ出したが、チェインは「生命活動停止うんぬん」の言葉に顔面蒼白した。
「病室だ黙ってろクソ猿。先生それはどう言う事ですか。」
「ヒューマーの体組織が変質した結果、驚異的な回復力を持って再生したようです。」
「表出ろや犬女。
って事は、番頭の傷が治ったのはソレが原因か？」
「ええ、その様です。」
この犬猿の争いをここまで上手に躱せる一般人が今迄居ただろうか。大概は2人を宥めようとしたが為に流れ弾を喰らう羽目になるのが定番なのだ。すぐにでも彼に花束と表彰状を授与したい。レオナルドはそう思った。
「加えて、彼の体から、ミセス、ミス？A・スヴェトラーナの血液反応が出ました。」
「ミセスで合ってるわよ。」
いつのまにか隠れ蓑を解いたAが答えると、そうですか、と淡白に返ってきた。
「え、血液反応って...殺人現場じゃあるまいし。スティーブンさんの体質変化に何か関係あるんですか？」
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9t9 - 血界戦線大好きのスティーブン推しで貴方の作品を見つけました。本当にこの作品が大好きです！ツェッドさんとか出てきたら絡みがどうなるのかとかも楽しみだし単純にこの先の物語が楽しみでなりません！！更新が止まっていらっしゃるようですがずっと待ってます！ (2022年10月19日 16時) (
レス) @page38 id: f8f6fc2c71 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃぼ(プロフ) - いつまでもお待ちしております...！！！ (2021年8月28日 1時) (レス) id: 4c0d27bb14 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 初コメ失礼します。一人称は使い分ける方が良いと思います。ちょっとしたことですがこれだけで表現の幅がだいぶ違うと思うからです (2017年10月30日 19時) (レス) id: 5884d91fd1 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - メヌエットさん» コメントありがとうございます。面白いと感じて頂けて嬉しいです！ (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - nana☆さん» アンケート回答ありがとうございます！更新頑張りますね。 (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin | 作成日時：2017年10月23日 8時
