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義眼でなければ気付く事も出来ないAを、紅茶を煮詰めたような濃い赤は捉えた。
あわあわと口元に手を当てるAに、スティーブンは違和感を覚える。
「スティーブン、これを。」
クラウスに使い古された手鏡を受け取り、そこに映った自分の顔を見ると、思わず声が出た。
「これは...」
右手で瞼を持ち上げて、色の変わった目を何度も確認する。そういえば潰れた右手の指も生え揃っている、折れた足も真っ直ぐだ。
「(なぜだか、ひどい喪失感がする...)」
「スティーブン！！」
突如、ドスッという音と共に、腹部が衝撃を受け止めた。Aが豪速球で飛び込んで来たのだ。「おいおい、僕は怪我人だぞ...」と、腹にグリグリと頭を擦り付けてくるAに言うと、「ばか」と涙交じりで返ってきた。
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急にスティーブンが何もない所を愛しそうに見つめて、さらに宙で手を上下に動かしている。その上独り言まで口にする。
クラウスには、その様に見えた。
というよりかは、そういう風にしか見えなかった。後ろで腰掛けるザップもまた同様な反応を示す。
「スティーブン、そこにA殿が居るのだろうか。」
今まで彼が仕事中(今は病院だが)にあんなに柔らかい表情を浮かべた事は無い。A恐らく、いや確かに居る。しかし聞かずには居られなかった。
「うん、居るよ。僕は見える様になったみたいだからね。」
「見える様になった、とはどういう事だ。スティーブン、君はレオナルド君の様に義眼を手に入れたわけでは無い。それなのに、一体どうして。」
「うーん...。説明が難しいんだけど、どう言ったらいいんだろうなぁ。凄くスピリチュアルな感じだけどさ、Aと契約した、って言ったら信じるかい？」
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9t9 - 血界戦線大好きのスティーブン推しで貴方の作品を見つけました。本当にこの作品が大好きです！ツェッドさんとか出てきたら絡みがどうなるのかとかも楽しみだし単純にこの先の物語が楽しみでなりません！！更新が止まっていらっしゃるようですがずっと待ってます！ (2022年10月19日 16時) (
レス) @page38 id: f8f6fc2c71 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃぼ(プロフ) - いつまでもお待ちしております...！！！ (2021年8月28日 1時) (レス) id: 4c0d27bb14 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 初コメ失礼します。一人称は使い分ける方が良いと思います。ちょっとしたことですがこれだけで表現の幅がだいぶ違うと思うからです (2017年10月30日 19時) (レス) id: 5884d91fd1 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - メヌエットさん» コメントありがとうございます。面白いと感じて頂けて嬉しいです！ (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - nana☆さん» アンケート回答ありがとうございます！更新頑張りますね。 (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin | 作成日時：2017年10月23日 8時
