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「A、A！スティーブンさんが！！」
チェインからの連絡を受けた時、地下鉄の入り口をただ放心して見つめた。
まさか、信じられない。嘘でしょ。と、繰り返し、暗闇に続く階段を降るでもなく何度も呟いた。
階段を上る力強い音が聞こえ、非常電源に照らされたレオナルドが見えた。
レオナルドはAを見つけると、申し訳無さげに顔を歪めた。
「レオナルド君、スティーブンは、スティーブンは何処...」
「...ザップさんが、担いでくれてます。」
「大したことなんでしょう？だって、彼は、彼は....」
Aの声は、現れたザップにより途絶えた。正確には、ザップに担がれたスティーブンによって途絶えた。
「ごめん、A...。俺たちが、もっと早く着いてりゃあ、番頭はこんな事にならなかったかも知れない....」
ザップの白いジャケットが、スティーブンの血で赤く染まっていく。背中に伝わる弱い心臓の音が、徐々に小さくなっていく。
悲痛に染まるザップにかかった体重が無くなった。え、とザップが後ろを振り返ると、スティーブンの体とAが水塊の中に浮かび、ふわりと空に浮いていた。
Aが中で何か言っているようだが、レオナルドとザップには聞こえない。
人形のようになんの反応も示さないスティーブンにAは軽いキスを送り、互いの額を当て、また何か呟いた。すると、Aの形の良い唇から、ゆらりと紅が覗く。
「(Aさんから出てるのって...血...？)」
レオナルドがそう認識するやいなや、スティーブンに深くキスしてAは水塊から飛び出した。
「Aさん、さっき何したんすか。」
レオナルドが怪訝にAに問う。宙に浮かぶスティーブンを見つめながら、静かな声で返答した。
「私の血を流し込んだの。」
「...血を流し込んだ！？
ハ！？アンタ何考えてるんすか！スティーブンさんは怪我人ですよ！早く医者に見せないと！！」
レオナルドはAの腕を掴んで叫ぶ。
彼は重篤患者なのだ。いくら振動が危険としても、水に沈めてしまってはトドメを刺すのと同義ではないのか。
語気が強まり、思わず掴む腕に力が入る。死んでしまってはどうするのか、と。
途端、水塊が大きく波打った。なんだなんだとレオナルドとザップはそれを見て驚愕した。
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9t9 - 血界戦線大好きのスティーブン推しで貴方の作品を見つけました。本当にこの作品が大好きです！ツェッドさんとか出てきたら絡みがどうなるのかとかも楽しみだし単純にこの先の物語が楽しみでなりません！！更新が止まっていらっしゃるようですがずっと待ってます！ (2022年10月19日 16時) (
レス) @page38 id: f8f6fc2c71 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃぼ(プロフ) - いつまでもお待ちしております...！！！ (2021年8月28日 1時) (レス) id: 4c0d27bb14 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 初コメ失礼します。一人称は使い分ける方が良いと思います。ちょっとしたことですがこれだけで表現の幅がだいぶ違うと思うからです (2017年10月30日 19時) (レス) id: 5884d91fd1 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - メヌエットさん» コメントありがとうございます。面白いと感じて頂けて嬉しいです！ (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - nana☆さん» アンケート回答ありがとうございます！更新頑張りますね。 (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin | 作成日時：2017年10月23日 8時
