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「おいおい、何するんだレディ。」
カップの中身を取り上げられたスティーブンは、年齢に似合わず頰を膨らせる。やめとけ、いい歳なんだから。と心中でツッコミを入れる要員は、残念ながらユグドラシアド中央駅に向かっている。
その膨らみ続けるスティーブンの頰を、Aの冷えた手が添えられた。
「私は不味いキスは嫌いなの。もうキスしたくないなら返すけれど。」
「返さなくていい。捨ててくれ。」
「聞き分けのいい子は好きよ。」
K.Kから、なんて不埒なクズなんだ的な視線を感じるが、スティーブンにはAからキスされない事の方が最重要事項らしく、全く動じていないようだ。
Aの艶めく笑みに、スティーブンが映画よろしく顔を近づけ、もうあと少しで触れる距離の所で、いきなり空気の読めないコール音がけたたましく鳴り響く。
邪魔をされた事に舌打ちをしながら、スティーブンはそのコールを取った。
「ウィ、スティーブン」
『連邦捜査局だ。先程ストムクリード・アベニュー駅にて
至急応援を頼む。』
要件を伝えてサッサと途絶えた電話回線は、既にビジートーンを鳴らし始めた。
スティーブンは息を吐き出し目つきを変えた。獲物を狩る眼だ。
「ストムクリード・アベニュー駅でエルダー級が確認された。ギルベルトさんはクラウスに連絡を。チェインは先に現場へ行き状況確認、分かり次第インカムで知らせてくれ。K.K、君はバイクで現場まで行ってくれ。」
「アンタはどうするの。」
「僕は車で向かう。僕と君が現場に着き次第、クラウスが来るまで奴等の足止めをする。...レディは僕と一緒に行こう。着いたら水膜を展開してくれ。」
「了解。」
「彼奴らの兵隊が増やされる前に、カタをつけるぞ!!」
スティーブンの声とともに、ライブラは動き出した。
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9t9 - 血界戦線大好きのスティーブン推しで貴方の作品を見つけました。本当にこの作品が大好きです!ツェッドさんとか出てきたら絡みがどうなるのかとかも楽しみだし単純にこの先の物語が楽しみでなりません!!更新が止まっていらっしゃるようですがずっと待ってます! (2022年10月19日 16時) (レス) @page38 id: f8f6fc2c71 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃぼ(プロフ) - いつまでもお待ちしております...!!! (2021年8月28日 1時) (レス) id: 4c0d27bb14 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 初コメ失礼します。一人称は使い分ける方が良いと思います。ちょっとしたことですがこれだけで表現の幅がだいぶ違うと思うからです (2017年10月30日 19時) (レス) id: 5884d91fd1 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - メヌエットさん» コメントありがとうございます。面白いと感じて頂けて嬉しいです! (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - nana☆さん» アンケート回答ありがとうございます!更新頑張りますね。 (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rin | 作成日時:2017年10月23日 8時