37ROUND ページ6
あ「…ふぅ。」
目、大丈夫かな…。
ガラガラ…
体育館のドアを閉める。
あ「よし。…分かっちゃうかな。」
赤「泣いたの分かります。」
あ「！？」
ドアを閉め振り返るとそこには赤葦くんの姿。
あ「どうしたの？…忘れ物？」
赤葦くんと二人きり緊張する。
赤「木兎さんの荷物管理もしないといけないのに、俺が忘れ物なんてしてられませんよ。」
赤葦くんは少し微笑む。
あ「…。」
なら、どうして？
赤「Aさんの様子がいつもと違ったからです。」
あ「え？」
あんなに、みんなの前では"いつも通り"を
気にかけてたのに。
あ「もしかして、みんな気がついてる？」
トランプをしたとき"顔に出過ぎ"と
言われたことを思い出す。
赤「いえ、たぶん気付いてませんよ。」
あ「そっか…良かった。」
沈黙。
私は鍵を閉めたことを確認する。
赤「今度は俺の前でも泣いてくれないんですか？」
あ「え？」
口を開いたのは赤葦くん。
うっすらと残る熱が出ていたときの記憶。
あのとき私、赤葦くんの前でかなり
泣いてしまった。
恥ずかしさで顔が火照る。
赤「無理しないでください。」
赤葦くんは真顔で淡々と話す。
だけど、冷たいわけじゃない。
あ「…ッ。」
告白の返事もせず中途半端に
してしまってるのに。
赤「…。」
この涙は何の涙かな。
潔子に敵わないこと？
自分が情けないこと？
…
赤葦くんが優しすぎること？
もう何の涙か分からない。
だけど、
あ「私、頑張るから…。」
赤「はい。俺もまだまだ頑張ります。」
赤葦くんは真顔から笑顔になる。
そんな赤葦くんを見るとホッとして、
私もつられて笑顔になる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仁菜(プロフ) - 茉莉さん» 両方ありがとうございます！！がんばります(^O^) (2016年5月12日 22時) (
レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 菅原さんの方も見ました。どちらもすごく面白かったです!これからも、頑張って下さい。 (2016年5月12日 5時) (レス) id: b88fb0edaf (このIDを非表示/違反報告)
仁菜(プロフ) - utikomaさん» コメありがとうございます！！すごい嬉しいです！！！ (2016年4月20日 22時) (レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
仁菜(プロフ) - うたさん» ありがとうございます(;-;) (2016年4月20日 22時) (レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
utikoma(プロフ) - お疲れ様でした。この作品を読んで、ぐぐっと赤葦ファンになりました。２ルートのハッピーエンド、どちらも良かったです。ありがとうございました♪ヽ(´▽｀)/ (2016年4月20日 22時) (レス) id: 61db9ad252 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仁菜 | 作成日時：2016年4月3日 23時
