美人マネに宣戦布告【菅原孝支】

20ROUND ページ21

あーあ。
"やるよ"なんて言わなければ良かった。

また、潔子はスガたちと練習するのかな？



あ「…はぁ。」



ため息をつきながら、
スイカのゴミを捨てる。



菅「どうしたの？」



あ「スガ！…別にどうもしてないけどさー。」


スガたちと練習できないんだよー。

なんて、心の中で言う。




ちょうど、スガもゴミを捨てに来た様子。



菅「成瀬は、他校の人と仲いいんだな！」



あ「え？」



菅「いやさっき、梟谷の主将の声が聞こえて。」



あ「…。」



なるほど。
木兎声がでかかったからね。



菅「一緒に練習してるんだ！」



あ「うん。」



スガが潔子としてるからね。
本当はスガたちとしたいんだけどね。



スガはそんな私の気も知らずに、
"いいなー！"なんて言ってる。



菅「そういえば、ずっと思ってたんだけどさ。今日髪結んでるんだね！」



あ「今日暑いからね！」



今日は、いつもより暑い。

冷静に返事したけど…


…"ずっと思ってたんだけどさ"？
何それ！！

見ててくれたのかな？

最近嬉しいこと起きすぎて怖い！！



菅「今日、清水も髪結んでたもんなー！」



あ「…。」



チラッと潔子を見る。

結んでる。



なるほどね、
潔子が髪結んでる→あ、成瀬も結んでる、
っていうことね。

まぁ、そうだよね…。

自惚れ恥ずかしい。

だんだん頭が下がってくる。



あ「…。」



こんなことでへこたれてられない。



トンッ



あ「あ、ごめん！」



私が顔をあげるとスガの手とちょうど
ぶつかる。



菅「ごめん！ここ、髪落ちてるから触ろうとした。」



あ「！？」



やばい、顔赤くなる。
やばい、やばい、やばい。



あ「ほ、ほんとだ〜！結びなおしょッ。！」



か、噛んだッ。



菅「あ、大地ー！」



スガは大地の姿が見えると、
走っていってしまった。



あ「…」



よ、良かったー。



急に力が抜ける。


スガに噛んだの聞こえてなかったみたい。


それにしても、無意識なのかな。

髪触られるのって意識しちゃうじゃん！

スガ天然過ぎる！！
天然、天使。




"ここ、髪落ちてるから触ろうとした"

スガにとっては、たいしたことじゃないかも
しれないけど。


よし。これで、１日頑張れる。

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