「全部、忘れて」 ページ38
あまりに突然で、目を閉じるのも忘れた。
思考回路が遮断されて
何も考えられない。
唇を通して伝わる
ジェジュンの熱と、柔らかな感触。
そして頬から頬へ伝ってくる冷たい涙。
それだけが今の全てだった。
ジェジュンが掴んでいた手を離して
私の両頬を包む。
唇がゆっくり離れて、近距離で目が合った。
ジェジュンの瞳が潤んでる。
JJ「…A、オレ…さ…………。」
BBBBBB…
JJ「…ずっと……」
A「……。」
BBBBBB…
JJ「…ちょっと待ってて。」
小さく溜め息を吐くと
テーブルの上で震え続けるスマホを取った。
――パッ。
A「あ、電気……。」
ようやく復旧したようだ。
明るくなった部屋。
そして視線を落とすと
A「…どうしたの？」
フローリングに座り込んで
スマホを持ったまま項垂れてるジェジュン。
JJ「あっはっ…なにやってんだろ、オレ……。」
何かを後悔するような、その言葉。
それはもしかしてさっきのキスのこと…？
心の中、黒いインクを垂らしたみたいに
じわじわと不安が広がっていく。
A「ねぇ、ジェジュン。ここ最近ずっと変だよ？
何か悩んでいるの？よかったら…教えて欲しい。」
JJ「……。」
A「ひとりで抱え込まないで？
力になれることがあればなんでもするから…。」
だから……お願い。
離れて行かないで。
JJ「……。」
少し顔を上げて首を振った。
JJ「Aは何もしなくていいよ。」
A「でも…」
JJ「Aは…Aのままでいて。」
私を真っ直ぐ見て、寂しそうに笑う。
JJ「もう、だいじょーぶだから。」
A「大丈夫って…？」
JJ「…オレ帰るね。」
A「えっ！？」
立ち上がって玄関の方へずんずん向かってく。
A「ジェジュン！！ちょっと待ってっ！」
玄関のドアに手をかけたジェジュンの腕を
急いで掴んだ。
JJ「…A、本当にゴメン。」
A「やだ、謝らないでっ！」
謝られる度、ジェジュンが遠くなってく気がする。
JJ「全部…忘れて。」
A「え………」
JJ「今日のことも、今までのことも、全部…。」
A「………。」
う、そでしょ……。
あまりのショックに
腕を掴んでいた手の力が抜けて。
――バタン。
ジェジュンがドアの向こうへ消えた。
叩きつける雨の音だけが
耳の奥に響いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みづき(プロフ) - mimiさん» 読みなおしていただけたなんて…嬉しいです！ありがとうございますっ！さっそく５章突入いたしました＾＾宜しくお願いいたします。 (2015年3月8日 18時) (
レス) id: c2fb010f56 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - 更新ありがとうございます(^_^）また読み直してしまいました、次章も本当に楽しみにしています。頑張ってください！ (2015年3月8日 17時) (レス) id: a694aaa71a (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ももさん» 更新おそくなり申し訳ございません（泣）ようやく４章終わりまでこぎつけました。早めに５章開始するつもりです。次章もよろしくお願いいたします＾＾ (2015年3月8日 16時) (レス) id: c2fb010f56 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - alexisさん» 更新遅くて毎度すみません（泣）ＪＪ様、入隊きまりましたねぇ。今月末。さみしすぎますが…韓国男子の宿命ですから仕方ないですよね（；；）ＪＪ様が坊主姿になる前になんとかこの話を終わらせたい（笑 ５章もよろしくお願いいたします♪ (2015年3月8日 16時) (レス) id: c2fb010f56 (このIDを非表示/違反報告)
もも - はい！！更新を楽しみに待ってます！！！！ (2015年1月31日 18時) (レス) id: 86e31f33a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みづき
| 作成日時：2014年8月24日 18時
