り ページ14
今までで一番の煙がモクモクあがる。
うっすらと見えてきたトモヤはさっきまでと特に違っては見えないけど…
「ぼくかわっ…た?」
「え、と…どうだろ?」
「名前!読んでみて!」
「え、と。トモヤ!」
「違うそっちじゃなくて」
「あ、そっか。トモーニャ!」
「はーい!……」
「………?」
「ランプに戻らない!やったー!ぼく人間になった!」
ぴょんぴょん飛び跳ねて大喜び。
魔人は名前を呼ばれて返事をするとランプに吸い込まれるらしい。
「よかったね!これで本当にトモヤだね。」
「うん!」
「もう自由なんだよ、どこにでも行けるんだから。もし本当に行きたいところがあるなら、そこに」
「ばーか!」
「ばか?」
「今まではご主人様だからこんなこと言えなかったけど。Aは本当にばか!あんなしょうもない男のために傷ついてさ」
そこに関してはなんの反論のしようもないけども。
「Aを泣かしてもいいのはぼくだけだから!」
「トモヤがなんで泣かせるの?」
「泣かせたくないけど、Aの泣き顔かわいいからたまに意地悪してもいい?」
「ばか!」
「とにかく!ぼくは、Aと一緒にいたくて人間になりたかったの!今更、他所にいけとか言われても行くとこないからね。責任とってよ?」
おおう…結婚を迫ってる女みたいなこと言うな。
人間になったトモヤはどう見ても私と同年代。一緒に住むとかまずいんじゃ…
これは同棲?いや、同居?
シェアハウス的な?
ま、いっか。
中身は5歳児だし。大丈夫でしょう。
「そうだよね。一緒に暮らそっか。トモヤがいいなら」
「やった!へへ、Aだいすきー!」
「わわ!うん。私も大好きだよ、トモヤ」
ぎゅうっと抱きつくトモヤをなでなでする。やっぱり子供みたいなもんだよね。
「もうAはオレのだからね」
「はいはい」
(ん?今オレって言った?)
(やっべぇ!素が出るとこだった)
END
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作成日時:2019年5月30日 19時