youth 43 ページ43
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慎「確かに俺は居残りもしてないし、ほぼ毎日あいつと一緒にいた」
「...うん」
慎「けどそれは、付き合ってるとかじゃなくて」
慎太郎は、頭を抱えて髪をクシャっと握った。
...やっぱり、何か言いづらいことでもあるの？
慎「そっか、そうだよな」
「え？」
慎「それで誤解させてちゃ、元も子もないもんな」
「...何の話？」
慎「そっかぁー、言わなきゃだよな。もう少しだったんだけどな〜」
どうやら自問自答している様子の慎太郎。
表情は、笑っているような、悔しがっているような。そんな表情。
慎「俺さ、実はバイトしてたんだ」
「...え？バ、バイト、？」
慎「うん、ちょっと欲しいもんがあってさ」
「うん」
慎「そんで、夜遅くまでやってた。あの女子はただのバイト仲間だよ。
まあ普通に？話しやすかったから帰りとかも一緒だったけど」
慎太郎がバイトしてまで欲しかったものってなに？
お小遣いで買えないようなものなの？
脳内が、急な情報を処理しきれない。キャパオーバーだ。
「じゃあなんで私に嘘ついたの？居残りなんて、」
慎「あ〜それ聞いちゃう！？言いたくねえ！絶対言わねえ！」
「なっ...やっぱり嘘ってこと！？」
慎「いや違うって！マジなんだって！」
この期に及んで言えないことってなんなのよ。
でもあいにく、慎太郎はやっぱり嘘をついてるようには見えない。
「...私に言えないようなものなんだ」
慎「...あーもう！わーったよ！ちゃんと言うから怒んなって！」
慎太郎は、とっても深い深呼吸をして口を開いた。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
