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youth 28 ページ28
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“ いつも一緒にいて、好きにならないの？ ”
“ いっそのこと本当に付き合っちゃえば？ ”
幼い頃から、よくそんな言葉を投げかけられていた。
今思えば、あの時流れに身を任せておけば良かったと思う。
そしたら今さらこんなに悩むこともなかったんじゃないか。
田中樹大丈夫だった?
A大丈夫じゃないかも、笑
田中先輩の前では、不思議と弱みを見せることができた。
それは、相手の弱みも知っているから？
それとも、嫌われる心配がないから？
どちらにせよ、今は田中先輩の方が慎太郎よりも話しやすいと感じる。
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ジェ「慎太郎今日休み？」
「知らない」
ジェ「は？また喧嘩？」
「喧嘩っていうか...慎太郎が一方的に怒ってるから」
ジェ「よく言うじゃん、夫婦喧嘩は猫も食わないってさ」
ジェシー、それを言うなら犬ね。
体に重くのしかかっていたものが、少しだけ軽くなった気がした。
ジェ「樹とはちゃんと話せたんでしょ？」
「うん、聞いたの？」
ジェ「樹がすっげー嬉しそうに言ってくるからさ」
「そう、なんだ」
ジェ「なんで樹とはちゃんと話せるのに、慎太郎とは話せないかね」
それはきっと、大切なものに踏み入ることが怖いからだ。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
