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運命(SE side) ページ19
Aちゃんが運命だって言った時、同じことを思っているとわかってすごく嬉しかった
でもその後すぐに、ついさっき男に抱きしめられていたAちゃんを思い出した
そうだ、運命なんていうけどAちゃんには彼氏がいる
俺がどんなに本気でその運命を信じたところで無駄なんだ
俺のことを笑ったと思っていたのが、本当は"オッパのことを思い出して笑った"って言ってたな...
その"オッパ"は今さっきの男なのかな
そんなことも、俺には関係ないか
「うん...そうだね...」
運命だなんて肯定したら自分に歯止めがきかなくなってダメだと思ったけど、否定することなんてできなかった
俺は、運命なんて不確かなものにさえすがりたかった
耐えられなくなって勉強を始めると、しばらくしてAちゃんも勉強を始めた
勉強していると、全てを忘れることができる
いつのまにか勉強に集中していて、ふと隣を見るとAちゃんはスースーと小さな寝息をたてて寝ていた
伏せられた長い睫毛に、白い肌に映えて相変わらず赤い綺麗な唇
「好きだよ、Aちゃん......」
口に出してからハッとした
どうして俺は気づいていないふりをしていたんだろう
いや、この気持ちを認めたくなかっただけだ
俺はAちゃんを一目見た時から
彼女に恋をしていたんだ
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作者名：エル | 作成日時：2017年8月23日 0時
