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「すき」
さっきまでの大騒ぎが嘘かのような沈黙が訪れる。
ここが地獄だと錯覚してしまうほど空気が澱んでる気がする、無論私のせいなんだけど
ドンヒョクの顔、今まで見たことないくらいのアホ面をかましている
こんな時でも可愛いなんて思ってしまうあたり私も重症だなぁ
にしてもこの空気、
やばい、何か言わなきゃ...
「っあ！友達としてね！友達としてドンヒョクはいいやつだなぁって思っ」
「ごめん」
「お前とはやっぱ友達でいたいかも」
雰囲気を明るくしようとかけらほどは残っていた私の芸人魂を振り絞って放った言葉は
いつになく真面目な顔をしたドンヒョクに遮られ
仕事終わりのサラリーマンたちのざわめきで溢れる夜の街に静かに吸い込まれていった。
私の儚い片想いは酒の勢いに押されあっけなく終わってしまった。
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作者名：まゆ太 | 作成日時：2022年2月19日 22時
