012 ページ12
「お前らおっせーぞ！よし、行こうぜ。月曜日だからって遠慮するのは無しだからな？」
お先でーすなんて言って定時きっかりに職場を出たドンヒョクは、少し仕事を終わらせてから出てきた私たちを待ちくたびれていたようだった。
「はいはい、じゃあ行こっか。」
「じゃじゃーん！ここが今日のお店！俺が今日丸一日かけて調べ上げた最高のお店だよ！」
「あれ...ここって」
「そうだね、そこだね...。」
何を隠そう、ドンヒョクが調べ上げたお店というのは、先日私がドンヒョクに振られた後逃げ込んできた、そしてジェノくんと出会った、あの居酒屋だった。
「ここ居酒屋なんだけど良い感じの時間帯だと混んでて入れないらしいから予約したんだ、ほら、早く入ろう。あ！こんばんはー、予約したイ・ドンヒョクです！」
「はいいらっしゃい！席はそこだよ......あれ？そこのお嬢ちゃんとお兄さん、この間も来てなかったかい？」
「あ、大将さん...そうです..あの時はお世話になりました。」
「そうかいそうかい！またきてくれて嬉しいよ。あの後無事に帰れたか心配だったからね」
「Aとジェノ、ここ来たことあんの？」
「来たことあるよ。一回だけだけど」
「へぇ〜そんな仲良いんだな、ま、取り敢えずなんか頼もうぜ！俺は取り敢えず生ビール、あ、Aもそれでいいよな？」
「あ、うん、！」
「了解、ジェノはどうする？」
「俺も同じで良いよ、」
「おっけ、大将ーー！！生３つで！」
「ふふっ、俺ちょっとといれいってくるねぇ〜」
久しぶりに新しい友人ができて浮かれているのか、いつもよりハイペースに酒を煽っていたドンヒョクは完璧に出来上がっていた。
「ちょっとドンヒョク、転ばないでよ？ついていこうか？」
「平気〜」
「ふふっ、ほんと五歳児見たい...」
「Aちゃんってさ、まだドンヒョクのこと好きでしょ？」
「えっ？」
「なんかさ、これは俺の勘だけど
Aちゃんの目がドンヒョク好き！って叫んでる感じ？」
「な、何言ってんのジェノくん。もうあの日でキッパリ諦めたよ」
「ふーん、じゃあさーーーー」
というとジェノくんはグンと体を近づけてきた。
「いま俺とキスできるよね？」
それは疑問ではなく命令だった。
「なに言って....」
その瞬間、私の唇に柔らかい何かが当たった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 582人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆ太 | 作成日時：2022年2月19日 22時
