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第8話 食事を一緒に ページ10

 琥珀がいなくなった台所は静まり返っていた。いつもより広く感じる台所を賑やかにするかのように、琳空はあらかじめ用意されていた調味料を魚が入った鍋に注ぐ。調味料に浸かった魚に落とし蓋をし、程よく煮えるまで待つ。その間に余った野菜を()えてサラダを作る。まるで流れ作業だ。さらに運良く味噌汁やご飯もおかわりが出来るように、多めに作られていた。


「琥珀に感謝しねぇとな。おかげで烈火の分が確保出来てるし」


 そう独り言を零しながら、琳空は煮魚を皿に盛り付け、他の料理と一緒に盆に乗せた。あとは居間に持って行くだけ。琳空は盆を慎重に居間に運ぶ。

 
 離れは元々は桜ノ宮家が使用していた。だが、今は千代しかいない。そこで剣士や守護者たちの憩いの場として、提供することにしたのだ。それにあたり、千代の護衛でもある琥珀には全ての事情を話してある。


「そうだったな。じゃあ、後は任せた」


 そう言うと琥珀は台所を颯爽と立ち去る。その後ろ姿は凛としていた。
 


 琳空が居間に現れるとユキの隣に座っていた烈火が立ち上がり、彼から盆を受け取った。


「うまく出来たみたいだね」

「たりめーだろ」


 琳空はにっと自信あふれる笑みを浮かべながら言った。自分の料理に自信があるのだろう。その様子を見た忍は一旦食事をやめ、烈火の側にやって来ると盆の上の料理を覗き見た。


「うわぁ、美味しそうな料理。烈火良かったね!」

「うん」


 満面の笑みをたたえる忍と優しい笑みをたたえる烈火。二人の満足げな笑みに琳空は、有頂天になりそうになった。それを押しとどめることが出来たのは、ユキが悪戯をしようとしていたからだろう。彼は琳空の食べかけの食事に香辛料をかけようとしていた。だが、彼のその企みは叶わなかった。


「またお前か。食べ物で遊ぶなと教わらなかったのか?」

「すみません」

 
 琥珀に怒られ、ユキは蚊の鳴くような声で謝った。これ以上続ければ、確実に両親に怒られる。そう悟ったのだ。琥珀がユキの両親にこのことを伝える可能性は十分にある。その前にやめておいた方が良いのは目に見えている。


「琥珀……それぐらいにしてあげて……。せっかく烈火も帰って来たんだから……」

「千代様……」

「ユキ、姫に気を遣わせてどーすんだよ」

「まぁまぁ。烈火もいるんだから、皆で食べようよ」


 詩楽が一声かけると、桜都も口をつぐむ。楽しく過ごしたいのは皆同じだ。

第9話 乱入者→←第7話 台所の2人


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設定タグ:剣士 , 仁義八行、神秘、神社 , 姫巫女   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ROM民(プロフ) - 日向信乃さん» すみません、勘違いしていたようです。やはり巡回していると自分でも気付かない内に判断力が低下してしまうようですね…。反省し、改めさせて頂きます。ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。 (2015年11月12日 22時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - ROM民さん» ご指摘感謝と言いたいところですが、この話のどこが二次創作にあたるのか教えて頂けないでしょうか? (2015年11月12日 20時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月12日 20時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
天宮信乃 - 。愁音 。さん» 久し振りー!琳空役のもんどす。名前変更しときます (2014年11月24日 15時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
。愁音 。(プロフ) - お久しぶりです!忍役の者です!用は無いけど来てみましたー♪ (2014年11月23日 13時) (レス) id: d300b57f7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:信乃@琳空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Assuming4/  
作成日時:2014年6月29日 15時

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