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第5話 森で眠る少年 ページ7

 琳空は森の入り口まで走って来ると、再び匂いを嗅ぎ始める。正確な位置を知るためだ。すると、目的の人物が森に少し入った所にある大きな木の根元で寝ていることが分かった。琳空はほくそ笑むと相手を驚かせようとそっと近づき、少年のそばにしゃがみ込む。


「雲英、起きなよ。ご飯だぜ?」


 琳空は着物を着崩した黒髪の少年、黒野雲英を揺すった。彼が揺れる度に肩にかかるさらさらの髪も揺れる。


「……ん」


 雲英はうっすらと目を開け、琳空を見つめた。どうやら驚いてはいないらしい。これじゃ失敗じゃん、そう琳空は心の中で呟く。


「おはよう、雲英」

「おはようございます、琳空さん」


 雲英は起き上がり、辺りが夕方になっているのに気づくと苦笑した。


「もう夕方だったんですね」

「うん、琥珀がご飯作ってくれたんだ。早く行こう?」

「はい」


 琳空は雲英の手を取り立たせると、一緒に敷地内にある屋敷に向かった。


「やっと来たか」


 琥珀が縁側で二人に声をかけると、雲英は少し申し訳なさそうに苦笑いを溢す。


「どうやら森の掃除をしている途中で眠ってしまったようです」

「だろうな」


 琥珀は素っ気なく答えると、居間に行ってしまった。長居をする気はないのだろう。


「手を洗って来ねぇとな」

「そうですね」


 縁側から離れに上がると、琳空と雲英は二人揃って洗面所に行き、手を洗い始めた。手を洗い終えると、広い廊下を歩き、屋敷内で一番大きな部屋である居間に向かう。居間の食卓には琥珀が作った魚料理を始め、サラダ、味噌汁、ご飯が並んでいた。食卓には既に千代たち、この屋敷に集う仲間達が揃っている。


「お帰り……雲英……」


 千代がふわりと微笑みながら雲英に言うと、雲英ははにかんだように頬を掻く。


「遅かったじゃねぇか」

「すみません……。昼寝をしていたようで……」

「まぁまぁ、雲英も来たことだし早く食べよ?」


 桜都がからかうような口調で雲英に言えば、詩楽は少し可笑しそうに微笑みながら嗜める。そんなやり取りに構うこと無く、ユキは夕ご飯に手を付けようとした。


「お前はいただきますも言えないのか」


 琥珀はユキの動きに気づくと、冷たく嗜めた。そんな二人を見て千代は微笑んでいた。


「千代様……? どうかしましたか?」

「ううん……何でもない……」


 琥珀がそうですか、と言おうとした瞬間、居間に心地よい音が響いた。

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設定タグ:剣士 , 仁義八行、神秘、神社 , 姫巫女   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ROM民(プロフ) - 日向信乃さん» すみません、勘違いしていたようです。やはり巡回していると自分でも気付かない内に判断力が低下してしまうようですね…。反省し、改めさせて頂きます。ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。 (2015年11月12日 22時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - ROM民さん» ご指摘感謝と言いたいところですが、この話のどこが二次創作にあたるのか教えて頂けないでしょうか? (2015年11月12日 20時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月12日 20時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
天宮信乃 - 。愁音 。さん» 久し振りー!琳空役のもんどす。名前変更しときます (2014年11月24日 15時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
。愁音 。(プロフ) - お久しぶりです!忍役の者です!用は無いけど来てみましたー♪ (2014年11月23日 13時) (レス) id: d300b57f7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:信乃@琳空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Assuming4/  
作成日時:2014年6月29日 15時

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