第4話 義理の姉弟 ページ6
翌日、琳空は皇神社にいる者たちとは別の匂いを嗅ぎつけた。それは草木が匂い立つような匂いだった。
「あの姉弟が来るぜ。もう近くまで来てるみたい」
「姉弟ってことは忍たち?」
「お前の鼻はよく効くな、琳空」
「まぁな」
琳空は琥珀に褒められて嬉しかったのか、ちょっと照れくさそうにした。
「忍たちも帰って来るんだって。なんか楽しくなるね、千代」
「うん……」
ユキが話しかけると千代は微笑んだ。その微笑みに琳空はなぜか胸が高鳴った。
爽やかな風が吹き渡る森の中で、動物たちと話していた姉弟は千代たちの話題で盛り上がっていた。水色のグラデーションがある長い金髪をなびかせる少女、猪川忍は、楽しそうに彼女たちのことを話している。彼女の話に相槌を打つのは、彼女の義理の弟の星龍だ。彼は胸元あたりまでのこげ茶色の髪を低い所でポニーテールにした、紫色の瞳の少年である。
「千代たち元気かな?」
「きっと元気だよ。姉さん、早く行こう?」
「そうだね♪」
忍は元気いっぱいの笑顔で答えると歩き出した。その後を星龍が追いかけていった。
日が傾いた頃、鳥居の前に二つの人影が現れた。
「皆、ただいまー!」
「ただいま」
二人が声をかけると、千代が真っ先に微笑みながら返事をする。
「お帰り……忍……星龍……」
千代に続けとばかりに琳空とユキも返事をした。
「お帰り」
「お帰り! 旅は楽しかった?」
「うんっ♪」
「お帰り、忍」
「お、今戻ったのか?」
クスッと微笑みながら言う詩楽と明るく言う桜都もそれに続いた。
「うんっ、ただいま! 詩楽、桜都」
「千代様、食事ができました。ん? なんだ帰って来ていたのか、ならさっさと手を洗え」
琥珀が台所から出てきてそう言うと、忍は元気な声で返事をして手を洗いに行った。
「ありがとう……琥珀……」
千代は微笑むと立ち上がった。
「お前たちも手を洗って来い」
琥珀が促すとユキたちも手を洗いに行ったが、琳空だけは動かなかった。
「どうした、琳空」
「いや、誰か来ているような……。あ、あいつか……。どこだろ……」
琳空は周囲の匂いを嗅ぎ、目的の人物を探した。するとすぐにお目当てが見つかったらしく、にっこりと笑みを浮かべた。
「また、寝てるみたい。ちょっと起こしてくる」
そう言うと琳空は皇神社の森に向かって走り出す。その背を琥珀は静かに見送っていた。
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タロッコ
結果は 節制 (ラ・テンペランツァ) でした!
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ROM民(プロフ) - 日向信乃さん» すみません、勘違いしていたようです。やはり巡回していると自分でも気付かない内に判断力が低下してしまうようですね…。反省し、改めさせて頂きます。ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。 (2015年11月12日 22時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - ROM民さん» ご指摘感謝と言いたいところですが、この話のどこが二次創作にあたるのか教えて頂けないでしょうか? (2015年11月12日 20時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月12日 20時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
天宮信乃 - 。愁音 。さん» 久し振りー!琳空役のもんどす。名前変更しときます (2014年11月24日 15時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
。愁音 。(プロフ) - お久しぶりです!忍役の者です!用は無いけど来てみましたー♪ (2014年11月23日 13時) (レス) id: d300b57f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃@琳空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Assuming4/
作成日時:2014年6月29日 15時