第11話 離れに来た兄 ページ13
涼しい風は離れにも吹いていた。この朝早い時間に動き出すのは何も琳空たちだけではない。茶髪を風に揺らしながら、やって来た背の高い少年は奥にあるお堂をちらりと見ると、そちらに行くこと無く離れに歩いて行く。手には何か小さいものを抱えているらしい。布の端がひらひらと揺れている。
「ここらへんでいいか」
少年は縁側に上がり、目的の部屋にするりと入って行く。畳の匂いが鼻をくすぐり、心に満たされる。これなら上手くいきそうだ。少年はふっと口角をあげた。今、この部屋には少年一人。懐に隠していた包みを広げても、見る者は誰もいない。少年は包みをほどき、中にあるものを部屋の隅に置くとそっと部屋から出た。
「ダイチ？」
「お、ユキか。珍しいな、こんな所で会うなんて」
「それはこっちの台詞。離れに来るなんて珍しいじゃん」
縁側を進み靴を脱いだ所まで来たところで声をかけられたダイチは内心焦る。いくら弟に会ったとはいえ、彼に何か勘繰られては困るのだ。他に用事があったとでも言えばいいのだろうが、あいにくすぐには思い出せそうにない。はて、何を頼まれたか。ダイチが考え込んでいるとユキが口を開く。
「ばあちゃんから何か言われたの？」
「おぉ、そうだ。思い出した。あとでメンテナンスしてやるから来いってさ」
「分かった」
ユキがばあちゃんと言ってくれたおかげで、変に勘繰られることは無いだろう。ダイチは心の中で安堵の息を吐いた。もちろん、顔には出さない。それに気づいていないユキは何かお土産でも持っていないのか、とダイチの手元を見ている。布の端が目に入ったからだ。ユキの視線に気づいたダイチは、布の奥に突っ込んでいた饅頭を取り出す。
「ほらよ」
「わーい、ありがとう。ダイチが何も持って来ていないはずはないって思ってたんだぁ」
「いつもユキが離れにいるからだろ」
「だって琳空が暮らしているし、側にいてあげたいじゃん？」
「そりゃあ、まぁ」
ダイチは気抜けしたように返事をした。何か続けようと思ったがやめたらしい。ユキが琳空の側にいたがるのは、皇家では周知の事実だ。それに、彼がそこまで琳空に入れ込むのには理由がある。ダイチもそれを承知しているから、ユキが離れにいることに文句を言ったことは無い。それでも、紛らわしい言い方はしないで欲しいとは思っている。兄として、ユキが他人からあらぬ誤解を受けてほしくない。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
タロッコ
結果は 節制 (ラ・テンペランツァ) でした！
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ROM民(プロフ) - 日向信乃さん» すみません、勘違いしていたようです。やはり巡回していると自分でも気付かない内に判断力が低下してしまうようですね…。反省し、改めさせて頂きます。ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。 (2015年11月12日 22時) (
レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - ROM民さん» ご指摘感謝と言いたいところですが、この話のどこが二次創作にあたるのか教えて頂けないでしょうか? (2015年11月12日 20時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月12日 20時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
天宮信乃 - 。愁音 。さん» 久し振りー！琳空役のもんどす。名前変更しときます (2014年11月24日 15時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
。愁音 。(プロフ) - お久しぶりです！忍役の者です！用は無いけど来てみましたー♪ (2014年11月23日 13時) (レス) id: d300b57f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃＠琳空 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Assuming4/
作成日時：2014年6月29日 15時
