第10話 巫女であって巫女ではない ページ12
小鳥がさえずり、朝の心地よい風が吹き渡る。その風が皇神社の奥にあるお堂に吹きこみ、白銀の髪を揺らした。それでも琳空はじっと正座したまま動かない。目をつむり、両手を神秘の玉に向けている。
「こんな朝早くに何やってんだ?」
「こいつの浄化」
「は?」
桜音は予想外の言葉にすっとんきょうな声をあげた。無理もあるまい。たまたま早起きして散歩していたら、お堂にたどり着いて聞いた言葉がこれだったのだから。そもそも浄化なんでものは巫女がする仕事のはず。それがどうして琳空がしているのだろう。桜音が怪訝そうに琳空を見ていると、琳空が小さく笑った。
「言っておくけど、俺は巫女であって巫女じゃねぇから」
「んなもん分かってるっつーの。てか、なんでお前がこんなことをしてんだよ?」
「代々の役目だから」
「役目? それだけでやってんのかよ」
浄化の役目を太秦家が引き受けているなんて、誰も聞いたことがないだろう。これは本来なら秘密にしておく事柄だ。それを言ったのは、桜音が気心知れた相手だったからだろう。だが、これ以上言うべきか琳空は悩んだ。毎日少しずつ神秘の玉の
「お前、さっき『巫女であって巫女じゃねぇ』って言ったよな。あれ、どういう意味だ?」
「巫女なんてざらにいるだろ? 俺が男だからっていうのもあるけど、ここで言う巫女は玉に選ばれた者を指すんだ」
「じゃあ、姫は?」
「巫女だよ。玉に選ばれてるらしいぜ」
それを本人から直接聞いたわけではない。だが、玉から感じる波動がそう物語っている。どうして玉が人を選ぶのかは分からない。まるで知る必要なんかない、と言わんばかりに淡い光を放っているのも原因だろう。
琳空は浄化していた手を止め、桜音の方に体を向けた。
「誰かは分からねぇけど、他にもいるらしいぜ。選ばれている奴」
「姫以外にもいんのかよ」
「あぁ。なんか法則でもあんのかな」
「俺が知っている訳ねぇだろ」
そりゃそうだ、琳空は笑ってそう答える。何か法則があっても、それを知る手立てなんかない。それに自分たちは神秘の玉に関わって日が浅い。もっとも、琳空は浄化の為に関わっていたが。
お堂に再び朝の涼しい風が吹き込んだ。
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西 - この方角に福があるはずです
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タロッコ
結果は 節制 (ラ・テンペランツァ) でした!
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ROM民(プロフ) - 日向信乃さん» すみません、勘違いしていたようです。やはり巡回していると自分でも気付かない内に判断力が低下してしまうようですね…。反省し、改めさせて頂きます。ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。 (2015年11月12日 22時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - ROM民さん» ご指摘感謝と言いたいところですが、この話のどこが二次創作にあたるのか教えて頂けないでしょうか? (2015年11月12日 20時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月12日 20時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
天宮信乃 - 。愁音 。さん» 久し振りー!琳空役のもんどす。名前変更しときます (2014年11月24日 15時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
。愁音 。(プロフ) - お久しぶりです!忍役の者です!用は無いけど来てみましたー♪ (2014年11月23日 13時) (レス) id: d300b57f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃@琳空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Assuming4/
作成日時:2014年6月29日 15時