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第六話 ページ7

福「どうぞ、と云うが......どかしても構わんか?」

書類を指差して訊ねるが、

秘書「ああ、触らないで!絶対に駄目です!今こうして並べているのは、いずれも、社運を左右する重要書類なのですから!紛失はおろか、印刷墨に掠れひとつあっては、後々どんな瑕疵となって会社に災いをなすか判りません!触れず、ずらさず、巧みに避けて移動して下さい!福沢さんほどの方なら出来るでしょう!」

そこでAが口を開いた。

A『秘書さん、一応聞いておきますが、何故書類を部屋一面に並べているのですか?』

秘書「当然の疑問です。お答えしましょう。殺し屋の目的がこれら重要書類の盗掠、もしくは破壊ではないかと、私は踏んでいるのです。かの凶賊は我がS・K商事を没落させるべく潜入し、目撃した社長を口封じとして亡き者にしたーーそれが私の推理です。ですからこうしてチェックを」

福「では一時的に、通り道の書類だけ棚に戻せば」

秘書「それも駄目です。この部屋の書類は全て規則性を持って並べられています。この並べ方そのものが、犯人の狙いを看破するための重要な方法論なのです。日付別、部署別、重要度別......この部屋全体が一個の目録なのです。社長に引き抜かれる前、前職で私はこの技術を学びました。これは私の他には、社内の誰にも真似は出来ません。戻し方にも規則性があり、一度崩せばそのぶん社長殺害の真相から遠ざかってしまいます」

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たりたり(プロフ) - 光華さん» ご指摘ありがとうございます。速攻訂正しますのでもうしばらくお待ちください。更新は、なるべく早めに出来るように頑張りますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 00b9e7564a (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 後半の方が苗字変換されてませんよ?更新頑張って下さい (2020年7月14日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たりたり | 作成日時:2020年5月31日 12時

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