或る爆弾 その三 ページ37
敦達が探偵社に到着すると、国木田の云った通り事務所には爆弾魔と人質がいた。
爆弾魔「嫌だァ.........もう嫌だ.........
全部お前等の所為だ..........『武装探偵社』が悪いンだ!
社長は何処だ、早く出せ!でないと......爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
太「あちゃー」
利「怨恨ですね。犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ、と」
太「ウチは色んな処から恨みを買うからねぇ」
国「利光、あの爆弾の性能は判るか」
利「えっとですね...犯人の思考を読む限りでは高性能爆薬ですね、この部屋くらいは吹き飛んじゃいます」
太「そっかぁ、爆弾に何かを被せて爆風を抑えるって手もあるけど......この状況じゃなぁ」
国「どうする?」
太「会わせてあげたら?社長に」
国「殺そうとするに決まってるだろ!」
利「そもそも、社長は今出張中です」
国木田と利光の話を聞いて太宰は少し考える。
太「......人質をどうにかしないと」
利「考えた結果がそれなんですね......」
国「だが、人質を助け出さないことには......」
太「ま、とりあえずここは.....」
国木田、利光、太宰の三人が何やら構えた。
三人の協力で犯人を倒しに行くのかと思いきや、そこで三人が始めたのは------
ポンッ
じゃんけんだった。
一度目の結果は三人共チョキ。すぐに二度目が開始される。だが、その結果はまたしてもあいこ。三度目でようやく決着が着いた。
国木田はグー、利光、太宰はパー。
利光と太宰の勝ちだ。
その結果に太宰はにたぁと笑い、国木田はぐぬぬ...と悔しがった。
利光が国木田にどうぞ、とでも云うように爆弾魔のいる方を指し示した。
国木田はチッ、と舌打ちをひとつすると爆弾魔の元へ歩いて行った。
国「おい、落ち着け少年」
爆弾魔「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
国木田は両手を挙げる。
爆弾魔「知ってるぞ、アンタは国木田だ!
アンタもあの嫌味な『能力』とやらを使うンだろ!?妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
太「まずいね、これは」
利「そうですね。探偵社に私怨を持つだけあって社員の顔と名前を調べてあるようですしね」
太「社員の私達が行っても余計警戒されるだけか......却説、どうしたものか」
太宰は呟きながらふと、視線を挙げた。
敦と目が合う。
そして太宰は何か面白い事を思い付いた、とでも云うようににやぁと笑った。
その顔を見た敦は思わず顔をひきつらせた。
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たりたり(プロフ) - 光華さん» ご指摘ありがとうございます。速攻訂正しますのでもうしばらくお待ちください。更新は、なるべく早めに出来るように頑張りますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 00b9e7564a (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 後半の方が苗字変換されてませんよ?更新頑張って下さい (2020年7月14日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たりたり | 作成日時:2020年5月31日 12時