第十二話 ページ13
秘書「あああ!や、やめなさい君!それ以上、それ以上一枚だって触れることまかりなりません!そこまで並べるのに五時間掛かったのですよ!」
乱「いやだって、僕も僕の書類を探したいし」
秘書「ならば黙って階下で待っていなさい!後でちゃんと探してあげますから」
乱「またそうやって見え透いた嘘をつくいいよ、自分で見つけるから。どうせ一瞬だもの」
一瞬?部屋には百枚近い書類か整然と並べられている。とても一度に全部は確認出来ない。この中から目当ての一枚を、どうやって一瞬で発見するというのだろうか。
A『なるほど......』
福沢「A、何が"なるほど"なんだ?」
A『ん?まあ、見ていれば判りますよ』
乱「ここが社長さんが落とされた窓だよね」
少年は窓際に立っていた。幅広の窓を小細に眺めている。
福「少年、この中から、どうやって一枚きりの書面を見つける?」
乱「なんだおじさん、喋れるんだ。A?ちゃんと話す以外ずっとそこで黙ってるから石のように無口な人なのかと......あのねえ、僕の探している書類は印紙つきの政府証明書類で、材質が違うから普通の書類より厚みがあるんだよ」
少年は窓に手を掛けている。社長が突き落とされたという、幅広の横開き窓に。
窓の外は青空。
確か今日は、風が強かった筈ではーー。
乱「そーれ、お祭りだ!」
楽しそうな声で少年は窓を全開にした。
書類がいっせいに、生命を得たように飛び立った。
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たりたり(プロフ) - 光華さん» ご指摘ありがとうございます。速攻訂正しますのでもうしばらくお待ちください。更新は、なるべく早めに出来るように頑張りますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 00b9e7564a (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 後半の方が苗字変換されてませんよ?更新頑張って下さい (2020年7月14日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たりたり | 作成日時:2020年5月31日 12時