君は鈍感すぎる【黄】

11話 ページ11

るぅとside

『るぅちゃんいつも曲作ってくれてありがとー！』

いきなり僕に感謝を伝える彼女

る「いきなりどうしたの？」
『いざ自分で歌詞作ってみるとめちゃくちゃ大変で、いつもるぅちゃんはこんなに大変なことしてくれてるんだなーって』

確かに僕も最初は歌詞を書くのに苦戦した
でも何曲か作っていくうちに、このリズムに合うのはこの文字数の言葉だなとか、この言葉を組み合わせると語呂がよくなるな、とかわかって来たから今は少し楽かもしれない

それにしても自分が体験したからとしっかり感謝を伝えられる彼女はどこまで性格がいいのだろうか
思ったことをすぐに口に出してしまう癖はきっと君の素直な性格の表れだ
本人は気づいていないみたいだけどよく思っていることがそのまま口に出ている

それにころころ変わる表情はどれも愛らしくて、見ていて楽しい

『あ！るぅちゃんこれは？』

そういって笑顔でパソコンの画面を僕に向ける

"とても当たる僕の勘、きっとこの先も幸せ"か

る「いいね」
『やったぁ！』

悩みに悩んで自分が納得した文だったんだろう
相当嬉しそうだ

る「続きはどうする？」
物語を描くのが得意なAちゃんならきっとすぐに面白い物語を書きあげてくれるだろう

『あのね！擬音語とかも使って楽しくしたいの！』
る「そっか。楽しみだね」

『うん！早くみんなに届けたいなー』
そう言って嬉しそうに笑う顔は僕の目には太陽よりも輝いて見えた

12話→←10話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す