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『うん？じゃあ…行くね…』
中島さんの言葉に促されて素直に立ち上がろうとする松島さんの手を“行かないで”と念じながら、ぎゅっと握った。
握った事が中島さんにバレませんようにと緊張しながら…。
すると、松島さんは一瞬動きを止め…
『Aちゃんも一緒に戻ろうか？』
と、私の手を強く握り返し、引っ張るように連れ出してくれた。
しっかりと強く握られている手…
自分から繋いだ手前、その手を離す訳にもいかず…無言のまま歩き続ける彼に連れられて、辿り着いたのは会議室だった。
ようやく繋いでいた手が離されると、一呼吸置いた後で…
『Aちゃん、どうして？』
と、真剣な表情で話し掛けられたものの、まだ動揺が収まっていなかった私は質問の意味が理解出来ず、逆に『えっ、何が？』と、尋ねてしまい…
『だから……どうして、俺の手を…』
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作者名：らきめろ | 作成日時：2018年6月7日 20時
