放課後、2人きりの教室で【東雲彰人】

【３１】 ページ33

こはね「く、組むって……私が杏ちゃんと！？」


杏「そう！今、こはねも思わなかった？一緒に歌うと、すっごく気持ちいいって！」


こはね「それは……そうだったけど……。で、でも私なんかが、杏ちゃんと一緒になんて……」




なんて2人が言葉のキャッチボールを続けている。
それを私はのんびり眺めながら他人事のように聞いています。まぁ実際他人事なんですけどね！！



それから杏の必死のピッチングが効いたのかこはねが


こはね「……やってみたい」



そう言った。それに対して


杏『「え？」』


2人揃って素っ頓狂な声を出す。
いや待て、私はまだいいよ。杏や。貴方様は違うだろ


こはね「私も、そんなイベントやってみたい。杏ちゃんと一緒に……やってみたい！」



その顔には不安が滲んでたけどやるっていう意思が出てた。これならまぁ大丈夫なんじゃない？押し負けてやるってなってたら止めてたけど…




そう考えているとカランカランと店のドアが開く音がした。とりあえずいらっしゃいませ〜なんて声を掛ける。
水出すかーと一旦カウンターに入って水を取りに行く。


『足音的に2人かな…』



そう呟いてテーブルに行くと


『わぁお。冬弥くんと彰人じゃ〜ん。あ、ってことは水要らんかったじゃん！……おっとお取り込み中でしたかすいません』



知り合いだったから地味にハイテンションで輪に入りに行ったらタイミングが悪かったのか全員に顔見られたよね。バッって初めてだよこんな有り得ねぇみたいな顔で見られたの



彰人「それで？誰と組んだの？」


杏「こはねが私の相棒！今日、一緒に歌ってみてわかったの！」



あ、その話か。確かにタイミング悪いッスね。反省するッス。ウス
1回この場を去ろうかね〜いつものやつを…と思って水を置いてカウンターに戻ろうとしたら


彰人「うん。2人ともせっかく組んだわけだし。同じ目標を持つもの同士、一緒にイベントに出ようよ」



彰人曰く2人が出るイベントの出演者が1組出られなくなって枠が空いてるとのこと。場所はREDっていうライブハウス…確かにあそこなら小さめだし初めて出るには向いてる
杏も同じことを思ったらしく、それを口にしていた。




でも、何か裏ありそうなんだよなこの高校デビュー野郎。冬弥くんも目がえ？みたいな目してるもん(?)



でも杏たちも断る理由がないため承諾してた。当日は見に行こっかな







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